-WeChat -中国進出 -百度地図 -高徳地図

NAVITIMEと百度(Baidu・バイドゥ)地図・Amap(高徳地図)を比較!中国人旅行者に最適なナビゲーションは?

NAVITIMEとは? - 日本発のナビゲーションサービスの概要と中国向けサービスの展開

株式会社ナビタイムジャパンは、2000年3月1日に設立され、東京都港区南青山に本社を構える企業です。ナビタイムは、交通手段を組み合わせた経路探索を中心に、幅広いナビゲーションサービスを提供しています。

主力の「NAVITIME」は、電車、バス、徒歩、自転車、車など複数の移動手段を組み合わせ、最適な経路を瞬時に計算・案内するサービスです。また、個人向けサービスに加え、法人向けにナビゲーション技術を活用したソリューションを提供しています。日本国内での利用者数は非常に多く、精度の高い経路案内が特徴です。特に旅行者向けには、目的地までの最適なルートと時間を提供し、利便性を高めています。

中国進出を果たした背景には、訪日中国人観光客の急増と、日本の交通システムに対する複雑な情報ニーズの高まりがあります。特に、訪日中国人観光客にとって日本の公共交通機関は非常に多様であり、言語の壁も大きな障害でした。それを解決するため、中国向けサービスは展開されました。

中国人向けサービスの内容とは?

NAVITIMEは、訪日中国人旅行者のニーズに応えるため、日本の乗換機能に特化したサービスを提供するべく、微信小程序(WeChatミニプログラム)を活用した革新的な試みを行いました。日本企業として初めて、WeChatミニプログラム上で日本の公共交通機関の乗換案内を提供し、特に中国人旅行者にとって非常に便利なツールとなっていました。

このサービスは、アプリ版と比べて中国語対応機能が強化され、ユーザーは日本語に不安を感じることなく、日本の公共交通機関を簡単に利用できるようになっていました。ミニプログラムの利便性は、アプリのインストールなしに情報を確認できる点で、旅行者にとって非常に大きな利点でした。

しかし、2021年8月5日をもって、WeChatミニプログラムでの「乗換NAVITIME」の提供は中止され、現在では「Japan Travel」のサービスのみが提供されています。

NAVITIMEの中国人旅行者の利用状況とアプリダウンロード数

実際にNAVITIMEを利用する中国人旅行者の割合についてですが、iPhoneのApp Storeでのダウンロード数を見てみると、同じく乗換案内機能を強調した他のアプリと比べて、NAVITIMEのダウンロード数はそれほど多くはありません​。特に、地図やナビゲーションアプリのダウンロードランキングでは、百度(Baidu・バイドゥ)地図やAmap(高徳地図)のように広く普及しているアプリには遠く及びません。

また、中国人旅行者におけるNAVITIMEの利用状況について、SNSを通じた情報や旅行者の意見を参考にすると、実際にNAVITIMEを利用している中国人旅行者はそれほど多くないことがわかります。特に、旅行において重要視される地図やナビゲーション機能、乗り換え情報を提供する地図アプリは多機能であることが求められるため、複数の機能が一つに統合されたアプリが好まれる傾向にあります。

NAVITIMEと中国の地図アプリを比較

【百度(Baidu・バイドゥ)地図】

百度地図は、日本で使用する際も中国国内版とほぼ同じ強力な地図およびナビゲーション機能を提供します。運転ナビゲーションや公共交通機関の乗り換え情報が非常に詳細で、ユーザーインターフェースは直感的でわかりやすいです。方向や距離の精度も非常に高く、リアルタイムでの運行状況も正確に表示されます。NAVITIMEと比べて唯一の欠点は、交通費が表示されないことです。とはいえ、これは中国語に完全に対応しており、特に中国からの旅行者には、渡航後すぐに使用可能であるため、適応期間が不要です。日本の公共交通機関を利用する際も、言語の障壁がないため、スムーズに利用することができます。

【NAVITIME】

NAVITIMEは、交通専用の情報ツールとして非常に優れた機能を持っています。公共交通機関の乗り換え情報が豊富で、バス、電車、徒歩、車などさまざまな交通手段の運賃も表示されます。また、地図機能も搭載しており、乗り換え情報と徒歩ナビゲーションがシームレスに切り替わります。日本国内の移動に非常に便利なツールですが、大きな欠点は中国語版が存在しない点です。日本語に不安がある中国人旅行者には、操作が難しく、JAPAN TRAVELアプリと組み合わせて使用する必要があります。しかし、JAPAN TRAVELアプリは中国語に対応しているものの、地図情報が不十分で、ナビゲーション機能も完全ではありません。地図やナビゲーション機能を効果的に利用するためには、NAVITIMEのアプリとJAPAN TRAVELを併用する必要があり、アプリを切り替える手間がかかります。

【NAVITIMEのWeChatミニプログラム】

NAVITIMEは、WeChatミニプログラムを通じて中国語対応のサービスを提供しようとしましたが、現在サービスは停止しており、実際に使用することはできません。以前のミニプログラムでは、中国語に対応したインターフェースが提供されていましたが、現在は利用できないため、その機能の詳細を確認することができません。このため、現在のNAVITIMEの利用者は、JAPAN TRAVELアプリとNAVITIMEアプリを組み合わせて使うことになりますが、アプリ間の頻繁な切り替えや視覚的な翻訳を比べる必要があり、非常に不便です。

【Amap(高徳地図)】

Amap(高徳地図)は、車でのナビゲーション情報が充実していますが、公共交通機関の乗り換え情報は、百度(Baidu・バイドゥ)地図に比べて十分ではなく、SNSでは方向や距離の位置精度が悪いとのフィードバックも多く見られます。交通費も百度(Baidu・バイドゥ)地図と同じく表示されないです。総じて言うと、車でのナビゲーションには適していますが、公共交通機関にはあまり向いていません。

それに加えて、中国国内でのアクセス制限にも違いがあります。NAVITIMEやJAPAN TRAVELのアプリは、中国国内でVPNを使用しないとアクセスできませんが、百度(Baidu・バイドゥ)地図の日本地図はVPNを使っても、中国のIP制限により詳細な地図が表示されません。一方で、高德地図はVPNを使わなくても日本の地図を見ることができるため、旅行の事前計画を立てる際には一定の利点があります。しかし、旅行の計画やルート設定は位置情報に依存するため、中国にいると時折実際の位置に戻ってしまうことがあり、計画の実行が少し不便になることがあります。

総合的比較

NAVITIMEと中国の地図アプリを比較した結果、各アプリにはそれぞれ異なる強みがありましたが、NAVITIMEは現状では中国語版がなく、言語の問題が大きな障害となっています。特に日本語が理解できない中国人旅行者にとっては、使用のハードルが高いです。

一方、Amap(高徳地図)は自動車用ナビゲーションには非常に強力ですが、公共交通機関の情報は不十分であり、訪日旅行者にはあまり向いていないといえます。

総じて、百度(Baidu・バイドゥ)地図は、中国からの訪日旅行者にとって、日本での公共交通機関の利用において、最も利便性が高い選択肢であると言えます。最も直感的で便利なツールとして中国からの旅行者に広く受け入れられています。百度(Baidu・バイドゥ)地図は、中国語に完全対応しており、公共交通機関の乗り換え情報が非常に詳細で、方向や距離の精度も非常に高いため、旅行者が日本に到着した際、すぐに使用を開始できる点が大きな利点です。日本国内での移動でも、言語の障壁がないため、非常にスムーズに利用することができます。

まとめ

今後、さらに多くの訪日中国人旅行者のニーズに応えるために、現地ニーズに特化したサービスの提供と、言語の壁を越える工夫が求められます。特に中国人旅行者向けのナビゲーションサービスには、中国語対応の強化や利便性が求められます。日本の公共交通情報は複雑であるため、リアルタイムな乗換案内や徒歩ルート案内の詳細化も重要です。改善点としては、アプリやサービスの多言語対応の充実と、地図・ナビ機能の統合が挙げられます。これにより、言語の障害を取り除き、よりスムーズな移動を提供できるでしょう。

関連記事  中国、台湾、香港、マカオのネット規制比較:ターゲット地域ごとの最適SNSとは?