目次
はじめに
最近、街を歩けば「マーラータン（麻辣湯）」という看板を見かけたり、SNSを開けばマーラータン専門店の写真をよく目にするようになりました。そもそもマーラータンとは、中国四川省が発祥の「麻辣（マーラー）」という唐辛子と花椒（ホワジャオ）の効いた辛くてシビれるスープが特徴の料理です。
ここ数年、日本では若者を中心に「シビ辛」ブームが起きていますが、その人気の中心にマーラータンがあります。色鮮やかな野菜やお肉、海鮮など好きな具材を自分で選び、オーダーメイドで楽しめるという自由度の高さがSNSで話題を呼び、特に若い女性を中心に人気を広げています。
この記事では、なぜ今日本でマーラータンがここまで流行しているのか、その背景を詳しく探りつつ、日本で人気のマーラータンチェーン店についてもご紹介します。
次のブロックから、さらに詳しくマーラータンとはどんな食べ物なのかを見ていきましょう。
1. マーラータンとはどんな食べ物？
マーラータン（麻辣湯）とは、中国・四川省が発祥の鍋料理の一種です。唐辛子の「辣（ラー）」と花椒（ホワジャオ）の「麻（マー）」が効いたスープが特徴で、ただ辛いだけでなく、舌がしびれるような独特な味わいがあります。
マーラータンの最大の魅力は、その自由さです。店頭には肉類、野菜類、きのこ類、豆腐、麺類、魚介類など多彩な具材が並んでおり、自分の好きな食材を自由に選んでオリジナルの鍋を楽しめます。本場中国では街角の屋台やフードコートなどで気軽に食べられ、安くて美味しい庶民の味として親しまれています。
日本ではこの「自由に選べる楽しさ」と「刺激的な味」が受け入れられ、特に若い世代を中心に人気を広げています。
2. 日本でマーラータンが流行している3つの理由
日本では特にここ数年、マーラータン専門店が急激に増え、人気が高まっています。その背景には大きく3つの理由があります。
① SNS映えと若者世代の共感
マーラータンが広まった一番の理由は、SNSを通じた拡散力です。色鮮やかな食材や、自由に具材を選べる楽しさが「映える」として、インスタグラムやTikTokなどで若者を中心に話題となり、口コミで広まりました。
② 健康志向とのマッチング
二つ目の理由は健康志向との相性です。マーラータンは具材を自由に選べるため、野菜や豆腐を中心にヘルシーな食材だけを選べば健康的な食事になります。唐辛子のカプサイシン効果や花椒の新陳代謝を高める働きも注目され、健康意識の高い層に支持されています。
③「シビ辛」ブームとの相乗効果
三つ目の理由は日本で起きている「シビ辛」ブームとの相乗効果です。唐辛子の辛さと花椒の舌がしびれる刺激は新鮮で、日本人の味覚を掴んでいます。刺激的な新しい味覚体験を求め、多くの人がマーラータンに関心を寄せるようになりました。
3. 日本で人気のマーラータンチェーン店を徹底比較！
日本でマーラータンが流行するなか、本場中国の人気チェーン店も次々と進出しています。ここでは、特に話題の4つのチェーンを詳しく比較しながらご紹介します。
① 楊國福（ヤングオフ）｜中国最大級の本格派
歴史と店舗数
2003年に中国・ハルビンで創業。現在、中国全土で約6,000店舗以上を展開し、中国最大級のマーラータンチェーンです。日本へは2019年に進出し、東京・大阪・名古屋などを中心に現在20店舗以上を展開しています。
味の特徴とサービス
最大の特徴は、本場そのままの濃厚なマーラー味。しっかり辛く、しっかりシビれる本格派のスープが評判です。トッピングも本格的で、湯葉や羊肉など本場ならではの具材が選べます。
価格帯
平均価格は1,000〜1,500円ほど。本場の味をリーズナブルに楽しめます。
② 張亮麻辣湯（チャンリャンマーラータン）｜気軽に楽しめるカジュアル派
歴史と店舗数
2008年に中国・黒竜江省で誕生。現在、中国国内に約5,800店舗を展開する人気チェーンです。日本には2019年に進出し、東京・神奈川・千葉・埼玉を中心に約15店舗を展開しています。
味の特徴とサービス
張亮麻辣湯の魅力は、辛さを自分好みに調整できるカスタマイズ性の高さです。マーラー初心者でも安心して楽しめるマイルドな味付けで、カジュアルな雰囲気も魅力的。セルフ式の注文スタイルで、気軽に立ち寄れるのも人気の理由です。
価格帯
価格帯は800〜1,200円程度とお手頃で、学生や若者にも利用しやすくなっています。
③ 辣上帝（ラシャンティ）｜日本人向けにアレンジされた食べやすさ
歴史と店舗数
2017年に北京で誕生した比較的新しいチェーン店。中国では約300店舗を展開しています。日本では2020年に東京に初出店し、現在は東京・横浜エリアを中心に約10店舗を展開中です。
味の特徴とサービス
辣上帝のマーラータンは日本人向けにアレンジされているのがポイント。辛さ控えめでクセが少なく、マーラー初心者でも安心して楽しめます。サービスも丁寧で、日本語対応がしっかりしているので、初めてでも安心です。
価格帯
平均的な価格帯は900〜1,400円。手頃な価格で、本格的な味を試したい人に最適です。
④ 七宝麻辣湯（チーパオマーラータン）｜ヘルシー志向の女性に人気！
歴史と店舗数
2013年に上海で創業したチェーン店で、中国では約500店舗を展開しています。日本には2018年に東京で進出し、現在は東京や大阪などの大都市圏を中心に約12店舗を展開しています。
味の特徴とサービス
七宝麻辣湯の最大の特徴はヘルシー志向にあります。新鮮な野菜や豆腐など健康的なトッピングが豊富で、女性客から特に支持されています。辛さも調整しやすく、マーラー初心者や辛いものが苦手な方にもおすすめ。おしゃれで清潔感のある店舗も女性に人気です。
価格帯
価格帯は1,000〜1,500円程度。質の高い食材を選べるため、少し贅沢なランチやディナーにぴったりです。
4. 今後のマーラータンブームはどうなる？
ブームから定番化へ
これまで日本に登場した海外グルメの中には、一時的な流行で終わるものと、文化に定着して長く愛されるものの両方があります。マーラータンは、「好きな具材を自由に選べる」「ヘルシーで健康的」「刺激的な味がクセになる」という特徴から、ただのブームにとどまらず、今後定番料理として定着していく可能性が高いと考えられます。
他のマーラー料理への波及効果も
マーラータン人気に伴い、マーラー味を使った他の四川料理（例えば火鍋、マーラーカオ（麻辣烤）、マーラーシャングオ（麻辣香鍋）など）も注目を浴び始めています。マーラーの味覚が日本人に受け入れられたことで、今後さらに四川料理や中国料理への関心が高まっていくでしょう。
マーラー味を取り入れた日本オリジナル料理の登場
さらに、マーラーの味覚を取り入れた日本独自の料理や商品も次々と登場するかもしれません。実際、最近ではコンビニエンスストアやスーパーなどでマーラー味のスナック菓子やカップ麺などが次々と商品化されています。このようにマーラー味は、日本の食品市場においても新しい定番フレーバーとして定着していく可能性が高いです。
マーラータンブームは、日本の食文化に新たな彩りを加えています。今後も引き続き注目していきましょう。
