春節は旅行へGo!

中国では春節(旧正月)は古来から、中国の人たちが郷里や実家で家族や親族たちと一緒にご馳走を食べ、酒を酌み交わしたり団欒を楽しみながら新しい年を迎えるという習俗だったのですが、最近はこの伝統的な春節の過ごし方にも変化が現れてきています。春節期間の連休を利用して旅行に出かける中国人が急増しているのです。中国国家旅游局の調査では、2017年の春節の連休期間中に中国国内を旅行する人の数は延べ3億4300万人に達することが見込まれています。今年の中国人の国内旅行のトレンドは「南下と北上の交錯」、つまり温暖なエリアで避寒する人と寒冷なエリアで雪や氷を楽しむ人が入り乱れるという傾向です。自然が楽しめる場所やのんびりと過ごせるリゾート地が人気を集めていて、特に人気があるのが中国北部ではハルビン、長春、そして長白山、スキーリゾート地として知られる亜布力などです。南部では海南島、雲南、厦門(アモイ)、桂林などが人気を集めています。報道によれば、50万人以上の東北三省(遼寧、吉林、黒竜江省)からの旅行者が海南島の三亜で旧正月の新年を迎えたそうです。また、2017年の旅行の特色として「PM2.5からの脱出」というニーズの伸びが顕著で、その結果として大気中のPM2.5の濃度が低い大理、ラサ、張家界、麗江なども人気を集めているようです。

海外旅行もブーム

海外旅行のブームも引き続き進行中で、2017年の春節の連休期間中に海外へ出かける人は600万人を越えることが予想されています。2017年の春節の連休(1月27日~2月2日の7日間)は曜日のめぐり合わせがよくて、2月3日と4日の2日も休暇を取ることで10連休になることも海外旅行ブームを後押ししているようです。タイ、オーストラリア、シンガポール、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、スイスなどが人気が高いようです。その中でも特にビザの取りやすくなった国への渡航が増えているようです。10年数次ビザが認められるようになっているオーストラリアや、ビザが免除されるアラブ首長国連邦、モロッコ、タイなどへの旅行者数には明らかな増加が見られます。また、韓国への旅行者の減少も2017年春節の特徴でしょう。

春節の旅行ニーズには大きな潜在力

中国国家旅游局の発表や日本の報道やネット上のニュースなどを見ていると、ずいぶん多くの中国人が旅行をしていて、海外旅行をする人が多いような印象を受けます。確かに2016年の中国人の海外旅行者は延べ1億2200万人と日本の人口に匹敵する規模でしたし、その数は2017年にはさらに増加すると見込まれています。しかし多くの中国人の感覚としては従来型の春節の過ごし方がまだまだ多数派のようです。中国の大手ネット旅行会社の「同程旅遊」が行った調査によると、2017年の春節期間中に遠方に出かける理由として57%の人が「帰省のため」と答えていて、国内旅行の26%、海外旅行の6%を大きく上回っています。春節の旅行ニーズにはまだまだ大きな潜在力が秘められているのです。

春節に帰省するのってどうよ?

旅行に出かける人の多くは、自分のリフレッシュのためであるとか、家族サービスや定年を迎える両親に親孝行をするためといった理由が多いようです。旅行に出かける理由のうちで顕在化していない動機として、「帰省したくない」という心理が根底に横たわっていることを指摘しておきたいと思います。中国民政部社会工作協会が北京や上海、広州などの6大都市で、帰省に関するアンケート調査を実施したところ、70%近くの人が春節に帰省したくないと回答しています。その理由には「経済的理由」や「仕事がうまくいっていない」というものもあるのですが、これら以外の「チケットが取れない」とか「親戚付き合いが煩わしい」とか「農村の環境や衛生状態に不満がある」という理由も示されています。帰省すると親戚から「結婚はまだか?」とか「恋人はできたか?」としつこく質問攻めに遭うのがなんとも鬱陶しく、またそれがプレッシャーに感じられ、帰省を控える人も多くいるそうです。これらの理由で帰省したくないと思っている層と春節に旅行に出かようと思う層とが一致する確率はかなり高いといっていいでしょう。

中国国内もあまり行くところがない!

国内の多くの観光地のインフラ整備が不十分で衛生面や快適性や安全性に問題があるようです。そのため一部の観光地は外国人観光客はもちろん、中国人からも不評で、そのようなところに行くくらいならば言葉が通じなくても海外に行ったほうが快適な休暇を過ごせると考える層も増えてきています。中国では観光業を中国の主要産業とする観光政策はあることはあったのですが、インバウンド至上主義で、中国人の国内旅行を活性化する政策は手付かずでした。しかしその結果、中国から海外旅行をする人は増えてもその消費が中国経済には還流せず、リーケージが起きてしまっています。そこで2020年までの中国の観光政策は中国人の国内旅行を重点的にてこ入れし、整備していくことになっています。その対策の一環として打ち出されたのが、全国の観光地のトイレを整備するという、いわゆる「トイレ革命」です。中国の旅行の主体もEコマースと同じように、80後(バーリンホウ)と呼ばれる1980年代生まれの世代と90後(ジョウリンホウ)と呼ばれる1990年代生まれの若者たちが中心です。これらの世代はインターネットにより「小衆化」が進んでいて、旅行に対しても価値観の多様化が見られ、団体ツアーで行くような「定番の観光地」ではなく、「他の人の行かないところへ行きたい」、「自分らしい旅行をしたい」という欲求を持っています。その欲求を満足させるのが、観光情報の収集から、交通手段や宿泊場所などが予約までが一つのプラットホームで完結してしまうスマホアプリの存在です。このようなスマホアプリが中国人の旅行の「小衆化」を加速度的に進めています。

現行の休暇制度が経済のボトルネック

春節期間は中国人とってはハイシーズンですから、旅行代金は軒並み跳ね上がりますし、混雑も尋常ではありません。そこで混雑のピークを避けて旅行に出かけたいと考えるのですが、それが自由にできる層は今のところ限られています。この時期は、せっかく海外旅行に行っても,行った先で中国人ばかり見かけるから行きたくないという人もいます。中国では大型連休が春節やメーデー、国慶節に集中していることの弊害が見直されるようになってきています。中国では、祝祭日が少ないところに、有給休暇制度が有名無実化しています。国の制定した大型連休のほかの時期にはなかなか海外旅行に行けるような長期の休暇が取れない実態があり、そのために中国人の休暇が特定の期間に集中してしまうのです。そしてこのことが中国経済にも悪影響を与えていることが指摘されています。そこでこの問題を解決するために、国務院では2020年までに休暇制度の改革を行う計画があります。この改革では労働時間を短縮し、有給休暇これまでよりも弾力的に取得できることを目指しています。今後は春節や国慶節といった一定の期間への中国からのインバウンドの集中は緩和する方向であることは間違いなさそうです。中国人の日本旅行に期待することはもはや「爆買い」ではなく、「モノ」から「コト」へシフトしていると指摘されています。今後の中国からのインバウンドへの対応は、中国の休暇制度の改革の進展具合をにらみながら、この「モノ」から「コト」へのシフトに加え、「他の人とは違う体験」に対するニーズの高まりへの対応が求められることになるでしょう。

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