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「凯富特」はAIとクラウド活用で銘柄・売買タイミングの選択やポートフォリオ最適化で証券会社をアシスト

米国マーケットでテクノロジーと法人向けのビジネスモデルを検証した後、凱富特(Kavout)はサービスや商品を携えて中国に戻ってきた。

吕晴氏は清華大学とコロンビア大学を卒業後、マイクロソフト社とGoogle社でぞれぞれ主任プログラムマネージャー、シニアエンジニアを務め、帰国後は中国大手投資情報ベンダー「大智慧」のCTO、百度(Baidu /バイドゥ)のコマースプラットホームテクニカルディレクター、盛大集团の副総裁を歴任しました。AI(人工知能)、機械学習、ビッグデータとフィンテックの分野で17年間キャリアを積んで、吕晴氏は大規模な機械学習のシステムを構築したキャリアと自身の好きなこととを組み合わせて新たな事業を起こそうと考え始めていました。吕晴氏は株式投資やオプション取引を実益を兼ねてやっていました。投資の3大テーマとも言える、投資対象の選択、売買のタイミングの見極め、アセットアロケーションの最適化をAIによって解決できないかと、2014年頃から研究を始めました。

金融は監督管理の厳格な世界ですが 特に中国や米国では証券業のコンプライアンスが厳格に求められます。しかし、技術分野出身の吕晴氏は金融業界のルールにはあまり精通していませんでしたが、国際金融の分野で15年の経験を持つバリー・バーンスタイン氏と出会いました。彼は、米国の証券会社アルゴ・パートナーズの前最高執行責任者(COO)であり、国際投資機構のNeonet Securitiesの最高コンプライアンス責任者でした。

両氏は2015年に凱富特(Kavout)を設立し、ヘッジファンド、資産管理会社、投資顧問会社向けにスマート技術を活用した投資銘柄の選択、売買タイミングの見極め、ポートフォリオの最適化、資産配置、投資顧問、クラウドコンピューティングを含む総合的なソリューションを提供しています。また、例えばiOS版のプラットフォームなども用意し個別のニーズにも対応しています。

2015年はゴールドマン・サックスやヘッジファンドのブリッジウォーターなど金融界の巨人たちもAI投資に参入した1年でしたが、その当時は米国であっても、まだAI投資はそれほど受け入れられませんでした。凱富特(Kavout)は1年半の時間を掛け基礎固めを行い、昨年9月に最初の商品をリリースしました。この商品には、FOF(ファンドオブファンズ)の運用ストラテジーや大型のアセットクラスの売買のタイミングや資産配分、店頭取引型ファンドの選択などの機能が含まれています。この商品のターゲットは、欧米のベンチャー企業から大型ヘッジファンドや資産運用機構などです。

しかし、AI投資が業界で爆発的に受け入れられたのは「Alpha Go」と自動運転システムが話題になった後のことで、多くの人々にとってAIが問題解決のキーワードとして意識され始め、コンピューター本当に信頼され始めてからでした。ゴールドマン・サックスやJ.P.モルガンなどがコンピューターをトレーディングスタッフに置き換える措置を大々的に開始し、中国国内でも同様ことが行われ、続々と多くのソリューションが発表されました。テクノロジーには国境はありませんが、既に成熟し安定期に入っている欧米の金融機構には複雑なマッチングフローがあるので、新たなテクノロジーに対する見方には厳しいものがあります。これに対し中国の投資家は「旬のテクノロジー」を試して、一山当てようという意識が強いようです。

吕晴氏は中国マーケットの急速な発展とその人口規模、さらには投資行為の組織化のトレンドを商機と見て、確立されたビジネスモデルとテクノロジーを携えて中国に帰国し、サービスが手付かずとなっている領域に進出しようとしたのです。凱富特(Kavout)は、今年4月からは諾亜財富(ノア・ホールディングス)などの資産運用機構と提携を結びました。凱富特(Kavout)は米国マーケットでの業務展開に必要な証券取引委員会の投資顧問や証券業に関する一連のライセンスを取得しています。中国国内では多くのトレーディングツールを提供するとともに、ライセンスを持つ機構(プライベートファンドなど)と共同でジョイントベンチャーを設立したり商品開発を行う計画です。

次に凱富特(Kavout)の提案するソリューション/商品を紹介します

ロボットアナリスト「Kai」は、マーケットに公開された情報に基づいて、株価の中長期のトレンドの予測を行うAIモデルです。400以上の指標と将来の収益との関係をリアルタイムで分析し、企業評価を行います。技術のコアとなるのは、まず、データの収集と精査、整理で、次にアルゴリズムとモデリング能力です。「Kai」は、金融業界の外部にある、構造化されていない膨大なテキストデータ(ニュース、SNS、メディア、BBS、株式掲示板など)を取得して、それらに対して自然言語処理と感情分析を行います。そしれ金融データ情報(リアルタイム価格や各種シグナル)とリンクさせて株価を予想します。これまでに米国証券市場と中国A株をカバーし、いずれのマーケットにおいても、安定的な収益を上げています。

ロボットチャートトレーダー「RoboChartist」は10数種の権威のある株価チャートを解析するツールを統合したもので、売買シグナルに注目しているトレーダーやファンドマネージャーが抱える、取引タイミングをいかに決定するかという課題の解決に役立ちます。「RoboChartist」は「Kai」と比較するとデータソースは単一ですが、アルゴリズムはずっと複雑です。

スマート投資アドバイザー「RoboAdvisor」は中国A株のETF(上場投資信託)を利用し、複数のアセットアロケーションを実現しています。しかしその大部分をETFに配分する米国のやり方とは異なり(2016年末までで、米国には1716本のETFがあり、その資産規模は約2.5兆ドルで、全世界の3.5兆ドルの73%に相当)、中国のETFの数はまだ限りがあるため、本当に中国の現状に合ったソリューションは、中国国内に3000本以上ある店頭取引型ファンドやミューチュアル・ファンドを組み入れることで実現しています。

吕晴氏は中国マーケットはまだ初期段階にあって、キャパシティーは十分にあり、投資戦略も人それぞれで多種多様なので、同質化によって有効性が減少することはないと見ています。

金融向けスマートクラウド「Kavout.AI」は、AIの処理能力をサードパーティーマーケターに開放し、中小投資機構はそれを必要に応じ購入するシステムです。中小投資機構はクラウドサーバーに金融データセンターを設置して、低コストで金融データの暗号化や、ディープラーニング、投資モデルの研究開発を行えます。「Kavout.AI」は阿里雲(Alibaba Cloud/アリババクラウド)の協力を得て、無償でサーバーの提供を受けています。また、凱富特(Kavout)は、阿里雲(Alibaba Cloud/アリババクラウド)とAmazon傘下のクラウドコンピューティングサービスであるAWSと提携関係にあります。

凱富特(Kavout)の現在の主要な営業収入は欧米マーケットの約10社のパートナーからによるもので、それらの総資産額は100億ドルです。年間手数料は5万~10万ドルで、6~8カ月で採算ベースに乗ると考えられています。凱富特(Kavout)はヘッジファンドやプライベート・エクイティからの投資も既に受けているとも言われています(なお、金額や出資者は開示されていません)。

[原文]

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