中国 中国テクノロジー

中国シェアサービス「カーシェアリング」の展望

中国では各大都市でシェアサイクルが普及を続ける中、最近「カーシェアリング」がにわかにブームになっています。カーシェアリングはスイスが発祥といわれており、日本では1999年頃から導入されて現在の代表的ものに「タイムズ24」があります。近年急成長中の中国のカーシェアリングにスポットを当ててみました。

中国のカーシェアリング市場

中国では現在、北京、上海、広州など多くの都市でEV(電気自動車)のシェアリングが展開されており、中国の調査会社によると2017年末までに50都市、3万台に増える見通しとのことです。多数のカーシェアリング会社があるなか、レンタカー業者もカーシェアリングサービスの提供を始めており、レンタカー業者による取引総額は2020年に約10億ドル(約1,100億円)に達するとみられています。カーシェアリング会社の有名なところでは「Gofun出行」「Evcard」「一度用車」「軽享出行」「即行car2go」などがあり、中でも「Gofun出行」は1万2,000台の専用車両を北京、上海、武漢、成都、南京など21都市に展開しているといいます。中国自動車メーカー「上海汽車」傘下で、8,400台のEVを20都市で展開している「Evcard」の曹光宇CEOは「時間にして40分未満、10~30キロのちょっとした日々の用事など、市内で済むような都市型の移動に使ってもらうのが狙いだ」といいます。

中国の自家用車事情

中国には運転免許保有者が3億人いますが、自家用車は1億台しかありません。中国では渋滞を管理するため車の台数が制限されているのです。政府の調査によると、北京にはくじ引きで割り当てられるナンバープレートを待っている人が100万人以上いるといわれますが、北京で1,100台の車を保有するカーシェアリング会社、「北京首汽智行科技」のトップは「中国の交通市場が大きすぎて、配車やライドシェア、タクシーでさえみんなの需要を満たしきれないでいる」と言っており、そんな背景から今カーシェアリングが急成長を遂げているのです。

カーシェアリング利用方法

最初に専用アプリをインストールして携帯電話番号による実名登録作業の後、免許証の写真をアップして許可を得たら利用が可能になります。まずアプリを起動しマップを見て車両を探すのですが、これはシェアサイクルを利用する場合とだいたい同じ要領であり、ユーザーはアプリの地図上にプロットされているカーシェアリング専用駐車場に行って車のドアロックを解除するためにQRコードを読み込み、利用し終わったら指定された駐車場に車を返却します。アプリのマップ上に表示される車の場所を示すアイコンをタップすると、メーカー名や車種、残り走行可能距離(EVなので)などの車の詳細がわかります。残り走行可能距離はバッテリーの残量から計算しているのでしょう。借りるためにはシェアサイクル同様に、支付宝(Alipay)または微信支付(WeChatPay)のいずれかの電子決済を使い、アプリへデポジットのお金を払います(返金可能)。利用を終える際は、街中の指定された数カ所の駐車場のいずれかの場所で駐車すればよいのですが、シェアサイクルと異なる点として、スタートと同じ駐車場に返却しない場合は利用料金に8元が加算されます。また、利用の前段階として前後左右から車を撮影して車の状況を事前に送り、そうしたプロセスを経てようやく車のドアをアプリで解錠して乗車できます。

シェアリングカーへの不満

自転車と異なり車は製品毎、モデル毎にインターフェースが異なることと、車種によってカーナビがあったりなかったりします。アプリでは利用する車種の説明が書いてありますが、車内には車操作用のマニュアルがありません。さらにカーシェアリングならではの問題で、前の利用者が乗った後の状態のままなので窓や鏡が汚く灰皿に灰がたまっており車内も汚いということです。せめて窓拭き用の使い捨ての布やゴミを持ち帰る袋等をトランク等に常備して利用後の最低限の清掃は義務付けてほしいものです。利用の前に車の状況を撮影して送るのですから、利用後も灰皿など車内を撮影して送らなければ清算できぬようにアプリを改善すればよいだけなのです。

中国カーシェアリングの実情

中国のシェアリングサービスはこの1年で急成長しており、「カーシェアリング会社は新たな市場の一部を自力でつくりだすだろうが、タクシーや配車アプリからも市場を奪い取るだろう」と指摘する声もあれば、一方ではバブルだとの警告も聞こえてきます。北京では約200社がカーシェアリングやその種のサービスを提供していますが、2017年3月にはカーシェアリング会社の「友友租車」が破綻を宣言して70の駐車場を閉鎖しています。カーシェアリング会社が自動車1台当たりに支出する金額は稼ぐ金額よりも多いといい、EV向け補助金は段階的に廃止されており2020年には完全になくなるのですが、それでもカーシェアリング会社はEVの充電所や駐車場などインフラに多額の投資をしなければならないのが実情です。

2016年2月には中国国家情報センターが「電気自動車のカーシェアリングは、普及するほど車購入を抑えられ、環境を改善できる」という提言を行っていましたが、8月には交通運輸部が「EVは運転慣れしてない人が多く、リスクが高いのでEVのカーシェアリングの発展は推奨しない」と表明しています。となると、同様の理由から民間投資がいくら活発でも、当面はカーシェアリングの更なる普及は難しいといえるのかも知れません。

NewsPicks_button_01

「いいね!」して
最新情報をチェック

中国Webマーケティングラボを

中国Webマーケティングラボの更新通知を受取る

更新情報や新着記事を1週間に1通お届けします。
下記のフォームに入力してください。
中国向けホームページの制作は中国Web専門会社にお任せください

株式会社レクサーは中国を専門とするホームページ作成・広告マーケティング会社です。