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インバウンドと“認証技術”

法務省は羽田空港に帰国する日本人を対象に10月から顔認証技術による自動の「顔認証ゲート」を使い、審査手続きを簡素化すると発表しています。このように近年の「認証技術」は目覚ましく進歩しており、顔認証に限らずあらゆる分野で認証技術が活躍しています。この認証技術の活用を試みる経済産業省の「おもてなしプラットフォーム」と現在の「認証技術」にスポットを当ててみました。

「顔認証技術」の現状

冒頭の「顔認証ゲート」は日本人の入国審査を簡素化することにより、増加する訪日外国人の入国審査により多くの審査官を充てる狙いがあるといい、来年度からは、成田、関西、中部の各空港に拡大するとのことです。日本のNECの顔認証技術は米国国立標準技術研究所が主催する精度評価コンテストに3回連続で参加し、全てのコンテストで2位以下のベンダーに圧倒的な差を付けて認証精度第1位を獲得しています。この「顔認証技術」は入国者の把握のほか、セキュリティ(防犯)、犯罪捜査(テロ対策も含む)、行方不明者の捜査とか、身近なものではパソコン・スマホなど様々な分野に活用されており、空港の防犯カメラにも用いられているのは言うまでもありません。

「おもてなしプラットフォーム」とは

2020東京オリンピックに向けて、より多くのインバウンド消費を促すために、政府はインバウンド事業などに補助金を交付したり、訪日外国人観光客誘致に役立つ情報を、企業や自治体に提供しています。そして昨年、経済産業省がインバウンド消費に関連した情報を管理・共有するための「おもてなしプラットフォーム」を開発し、訪日外国人観光客の個人情報の一元化に向けて訪日外国人観光客誘致のための実証実験を開始することを発表しました。「おもてなしプラットフォーム」実証実験開始の背景には、訪日外国人観光客の消費動向に関しての情報を集約・提供するためのプラットフォームが存在していなかったこと、情報が分散化していたことが挙げられます。訪日外国人観光客のショッピングや飲食、宿泊など旅行時の情報、または各種アプリ上に登録する情報を、訪日外国人観光客本人の同意のもと、「おもてなしプラットフォーム」に共有し、そのデータを活用して各事業者が訪日外国人観光客に高度で先進的なサービスを提供できる仕組みの構築が目的です。この仕組みにより、「おもてなしプラットフォーム」に参加する事業者のサービスを受ける際、訪日外国人観光客は旅行履歴等の個人情報や、使用言語などを再度登録する必要がなくなり、結果的に、「おもてなしプラットフォーム」参加事業者としても、今までより明確に訪日外国人観光客の消費動向を把握することができるのです。この「おもてなしプラットフォーム」実証実験では「生体認証による決済」の実証実験もおこなわれます。

「指紋認証」「手のひら認証」による決済の実証実験

経済産業省「おもてなしプラットフォーム」事業の一環として、訪日外国人観光客における「指紋認証決済」「手のひら認証決済」の実証実験が行われます。10月1日より関東と関西で開始され、訪日外国人観光客の利便性向上を図るのが目的です。

< 関東での「指紋認証決済」実証実験 >

実証実験として、関東では大手旅行会社「JTB」関連企業の協力のもと「指紋認証決済」の導入が行われます。対象地域は、神奈川県箱根町や湯河原町、鎌倉市で、これらの地域の約100店舗で指紋認証による決済や宿泊施設のチェックイン・アウトが可能になります。大手旅行会社「株式会社JTB」の関連会社である「JTBコーポレートセールス」を中心に、指紋認証技術を持つLiquid、箱根温泉郷、湯河原温泉等が参加します。

< 関西での「手のひら認証決済」実証実験 >

関西では大手電機メーカー「パナソニック」の協力のもと「手のひら認証」の導入が行われます。「手のひら認証」とは手のひらの文様と静脈のパターンを組み合わせて、ユーザーを認証するシステムです。今回の実証実験は、大阪市の水族館「海遊館」や、隣接するショッピングモール、関西国際空港内の店舗などで行われ、これらの店舗・施設では手をかざすだけで支払いができるようになります。

「生体認証」の実情

「生体認証」はバイオメトリック(あるいはバイオメトリクス)認証とも呼ばれ、人間の身体的特徴(生体器官)や行動的特徴の情報を用いて行う個人認証の技術(プロセス)です。生体認証では、通常「テンプレート」と呼ばれる情報を事前に採取登録し、認証時にセンサ-で取得した情報と比較することで認証を行いますが、単に画像の比較によって認証とする方式から生体反応を検出する方式まで様々なレベルがあります。パスワードや物による認証では、忘却や紛失によって本人でも認証できなくなったり、漏洩や盗難によって他人が認証される恐れがありますが、生体情報の場合はそれらの危険性が低いと考えられ、手軽な認証手段(キー入力や物の携帯が不要)、あるいは本人以外の第三者が認証されることを防止できる手段として使われています。しかし、広く使用されるためには、怪我・病気・先天性欠損などによって生体認証ができない人々への対応も必要であり、また、経年変化によって認証ができなくなったりする可能性もあり、まだ課題があることは否めません。

実用化されている「生体認証」

利用件数が多いものには「指紋」、瞳の中の「虹彩」が挙げられます。金融機関がATMに採用したことで、手のひらや指の「血管」の形を読み取る静脈認証も利用件数が増えつつあり、他にも、「網膜」「声紋」「顔形」「筆跡」などによる認証が実用化されています。認証の際には専用の読み取り機を用いて生体情報を機械に読み取らせることで本人確認を行いますが、生体認証単独で用いられるだけでなくカードやパスワードなどと組み合わせることも多いのが実情です。生体認証の身近なものではマンションなどの入口、自家用車、キャッシュカードやパスポートの認証手段に採用されており、スマホによる「手のひら認証」ではKDDIが「てのひらアンロック“てアロ”」を無償提供するなど、身近なものとして普及しつつあります。

アメリカでは人体の皮膚の下にマイクロチップを埋める「マイクロチップ・インプラント」が進んでいますが、世界をリードする日本の「認証技術」が「おもてなしプラットフォーム」の取り組みにより、インバウンドを通じて世界に認められ「マイクロチップ・インプラント」に取って代わることを期待するところです。

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