インバウンド

インバウンド需要が生んだ意外な出来事

訪日外国人観光客の増加が続いており、2020東京オリンピックも見込んでインバウンド需要に対する業界の動きが活発化しています。そんな中で、関連業界はもちろんのことなのですが、一見してそれほど関係の深くなかったところでも新しい取り組み・動きが視て取れます。その具体例にスポットを当ててみました。

美容室でのスーツケース預かり

関西では、店舗などの空きスペースを利用して荷物を一時的に預かるビジネスが広がり始めています。訪日外国人観光客が急増して不足しているのはホテルだけではなく、大きなスーツケースを預けられる「大型コインロッカー」や「一時預かり所」も不足しているのです。若者や観光客でにぎわう“大阪みなみ”のアメリカ村にある“美容室K・C”に、香港から訪れた家族連れがスーツケースを七つも預けました。従業員は当たり前のように受け取って店内の空きスペースに運び込んだのです。香港から訪れた彼らはネットで事前に予約したのだといい、美容室のマネージャーは「スーツケースを引く外国人観光客をみる機会が増えた、空きスペースを活用してもらえればよい」と話しています。このサービスを提供するのは2015年創業のベンチャー「ecbo(エクボ)」で、会員登録をすればホームページで空きスペースのある場所を検索して予約できてスーツケースは1個につき1日600円で預けられ、同社と場所の提供者で分ける仕組みになっています。これは、人手や資産を共同利用する “シェアリングエコノミー”の一つなのです。このサービスは今年1月に東京で始めて関西にも広げたといい、関西の預け先は現在で京都に40カ所、大阪に30カ所ほどとの事です。今後は全国のカフェやゲストハウスなどにも広がっていくのではないでしょうか。

ラブホテルの変身

東京や大阪といった大都市では、訪日外国人客の急増でホテル不足が深刻化している一方で、ラブホテル業界は利用者が減少傾向にあり女性のグループやビジネス客らに客層を広げる動きが出ています。ラブホテル業界は新たな顧客開拓を狙い、政府はホテル不足解決の打開策と目論むところですがうまくいくでしょうか。そんな中、さいたま市郊外の埼玉スタジアムの近くで畑や民家が点在するエリアに「ホテルウィル浦和」が改装オープンしました。全57室、宿泊人数は最大約100人で4階建ての屋上にはピンクと緑の派手なネオン。改装前のラブホテル感を色濃く残すたたずまいを見ておりやってくるカップルが今も後を絶ちませんが、改装後のターゲットは訪日中国人観光客なのです。運営会社グランクールによると、ラブホテル時代の月商のピークは10年前の1,600万円でしたが、その後年々落ち込んで最近では600万円と採算ラインぎりぎりになり、経営立て直しのために業態転換に踏み切ったといいます。ベッドをダブルからツインに換え、ピンクの壁紙を白色に統一。大きな鏡は撤去してテレビや冷蔵庫、空気清浄機を新調。旅館業法が義務づける食堂やフロントを作り、広々とした風呂や洗面台はそのまま活用して、風俗営業法上のラブホテル営業許可は返上したとのこと。今では中国系の旅行会社と月1,350万円で貸し切り契約を締結し連日3~4台の大型観光バスが乗り付けて満室が続いているそうです。

ラオックスの方向転換

訪日中国人の“爆買い”が減速するなか、日本国内最大規模の総合免税店ネットワークの“ラオックス”は個人客の利用が多い中国の大手旅行サイト“Ctrip(シートリップ)”と連携し、訪日外国人向けの新サービスを始めると発表しました。団体ツアー客向けが主流だった店づくりから転換して業績の回復を目指すといいます。Ctripの会員専用のカウンターを設け、無料で手荷物を預かったり、ホテルや自宅に荷物を配達したりするサービスで、訪日客はスマートフォンなどを使って会員であることを示せばサービスが利用できるとのこと。訪日客の爆買いはリピーターの増加や飲食や観光などへの関心の高まりで一段落しており、ラオックスの売上高も2月以降は前年割れが続いて6月には前年比49%減だったとのこと。ターゲットを団体客から個人客へ向ける方向転換は功を制するでしょうか。

訪日外国人の宿泊事情「夜に消える訪日客」

意外なことに、日本を訪れる外国人客は増え続けているのに、全体をみると外国人の延べ宿泊者数が伸び悩んでいるといいます。ホテルや旅館に泊まらないのでしょうか。インバウンド政策を掲げ観光立国をめざす政府は「夜に消える?訪日客」の実態をつかみあぐねて困惑しているとのこと。その実態をみると、深夜の成田空港のロビーでは沢山の外国人がソファに寝転び、上着やタオルを顔にかけてまどろんでいる姿があります。あるフランス人玩具デザイナーは空港で朝まで過ごすと決めたそうで「日本のホテルは狭いのに宿泊代が高すぎる」と言い、7日間の日本滞在中の夜はインターネットカフェや友人の家に身を寄せるつもりだそうです。関西空港の24時間営業ラウンジでも朝まで過ごす訪日客が目立ちます、個室状のブースは連日満席で空港側も仮眠用に無料で毛布を貸し出しているとのこと。観光庁のデータを見ても今年の訪日外国人客数はすでに1千万人を突破しており過去最速のペースで前年より約14%増えているにも関わらず、同じ期間内の外国人延べ宿泊者数は約2%増に止まっておりこの差はまさしく「夜に消える訪日客」なのです。訪日外国人客の平均滞在日数が前年同期から大きく減っているわけでもありません。訪日外国人客の宿泊施設以外での「夜の過ごし方」を分析する必要がありそうです、そこにビジネスチャンスが視えてくるかもしれません。

まさしく「夜に消える訪日客」は存在しており、政府はその実態と傾向を把握して2020東京オリンピックへ向けての宿泊施設確保が過剰にならぬよう広報する必要もありそうです。また宿泊事業意外の「夜を過ごせる施設」になりうる施設等においては一時的ではありますがビジネスチャンスが巡ってくるのは間違いなく、現状のままでは不足することが目にみえている分野では「空きキャパシティーの有効活用」“シェアリングエコノミー”が活発になりそうです、民泊サービスも“シェアリングエコノミー”のひとつです。

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