日本政府は、中国へのコメ輸出拡大を推進するため、輸出規制が少ない『パックご飯』を大々的にアピールし、中国市場での定着をめざしています。精米の輸出拡大が見込めない現状で、加工米の輸出を探るべく2017年に入って『パックご飯』の売込み活動が大きく動き始めました。
『パックご飯』を中国の人に広く知ってもらう活動の一環として、訪日中国人旅行者に『パックご飯』を配ったり、中国国内でパックご飯を使ったメニューを紹介する催しを開催したりして、大々的なキャンペーン活動を展開しています。

「パックご飯」の輸出拡大をめざす裏事情

政府は小泉政権以来「攻めの農業」を掲げ、農林水産物と食品の輸出額を2012年の4,500億円から、2019年には1兆円に増やす目標を立て、そのうちコメとコメ加工品の輸出目標は600億円に設定しました。
これは、日本人の人口減少とコメ離れによる国内の「コメ余り」への対応も考慮しています。毎年8万トンずつ減少するコメの消費に対応して、輸出に活路を見出そうとしたとき、13億人を超える中国の巨大市場は魅力です。

ところが、中国は世界最大のコメ生産国でありハードルが高いうえ、精米の輸入についての規制が厳しい現状があります。中国政府は「日本のコメにはカツオブシムシという特殊な虫が混入している恐れがある」と主張し、横浜にある燻蒸(くんじょう)倉庫で殺虫処理したコメだけしか輸入を認めていません。これでは、手間とコストがかかり処理できる能力にも限界があります。このことについて昨年の日中首脳会談で、事務レベルの協議を要請しましたが進展がない状態です。

これに対し『パックご飯』は加工品扱いなので、検疫の対象外になり精米に比べ制約が少なく、輸出するには好都合なコメとなります。

日本産「パックご飯」の販売促進イベント

『パックご飯』を中国に輸出するためには、まず中国の人に知ってもらうことが重要になります。そこで、政府が支援して、中国国内と日本各地でPR活動が展開されています。

2017年1月下旬から3月にかけて、農林水産省の支援で輸出促進団体が、訪日中国人を対象に『パックご飯』を無償で配布しました。日本国内の配布場所は、成田空港、関西国際空港、JR東京駅近くの商業ビル…など、中国では、北京や上海などで合計10万食を配布しました。

3月末からは、北京や上海など中国の5都市にあるデパートやコンビニ50店舗で、促進販売活動をして日本へのクルーズ船旅行客へもPRします。また、日本のコメ食品会社の商品を三越伊勢丹、イオン、イズミヤ、セブンイレブンやローソンなどにも並べて中国人に紹介します。
5月下旬には、上海のデパートで日本産『パックご飯』の販売イベントを開催、中国メディアや関係者に農水省の食料産業局長が「味はもちろんですが、日本産は安心で安全です」と訴えました。
6月には、日本貿易振興機構(ジェトロ)が『パックご飯』輸出拡大事業として、上海伊勢丹に「日本産包装米飯情報発信ステーション」を開設し、中国の消費者に日本産『パックご飯』の品質の高さ、便利さ、調理方法や生産地などの情報を発信します。

日本産「パックご飯」の課題

日本産『パックご飯』のPR活動は始まったばかりで、いくつもの課題を乗り越える必要があります。最初の課題は、『パックご飯』をいかにして中国の人に広く認知してもらうことですが、最大の課題は「価格」でしょう。
中国での販売価格は1パック(200g)で17元(約280円)と、中国の高級米の5倍程度ですが、中国産の「パックご飯」と比較したら3倍程度に収まり、中国の中間層にも手が届きそうです。日本産のコメを日本国内の水で炊いており、味や安心への評価は高まりそうです。

もう一つの課題が「味」で、やはり炊き立てのご飯にはかなわないという声を聞きます。ジェトロは3月、上海の飲食店の協力を得てパックご飯を使ったメニューを考え披露しました。活動は始まったばかりでこれからの展開が重要になります。味に勝る便利さや手軽さを訴えることになるのでしょう。

まとめ

コメの輸出拡大への貢献が期待される『パックご飯』の売込み活動ですが、多くの課題がありそうです。コメは牛肉や日本酒と違ってブランド価値が通じにくく、作戦も難しさが予測されますが、中国人に寄り添った提案をしていけば光も見えてくることでしょう。
日本の食の安全をアピールすることも一つの方法ではないでしょうか!日本のコメと水を使った『パックご飯』の安心・安全・手軽さが、中国の巨大市場に認められる日がきっと来ることを信じたいです。

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