微信(WeChat)の利用者を取り込む 微信支付
ビッグデータ・AIで顧客囲い込み 支付宝

中国でのスマートフォン(スマホ)決済が急増しています。昨年のスマホ決済額は中国全体で前年比倍増の600兆円以上に達しました。スマホ決済の増加を牽引しているのは、中国EC最大手のアリババグループの電子決済サービス「支付宝(Alipay)」と、中国版LINEといわれるスマホ向けチャットアプリ・微信(WeChat )を展開する中国のIT企業、テンセントが提供する電子決済サービス「微信支付(WeChat pay)」です。ECの決済方法として中国で先にシェアを伸ばしたのは 支付宝(Alipay)ですが、微信(WeChat )アプリに決済機能を盛り込むことで、微信(WeChat )利用者をうまくスマホ決済に誘導、利用者を急激に増やして支付宝(Alipay)からシェアを奪ったのが微信支付(WeChat pay)です。支付宝(Alipay)は微信支付(WeChat pay)に対抗するため、ビッグデータ・AIを活用し顧客の囲い込みを図っています。今回は白熱する支付宝(Alipay)と微信支付(WeChat pay)のシェア争いをみていきたいと思います。

スマホ決済シェア(金額)、支付宝5割、微信支付4割

まず支付宝(Alipay)と微信支付(WeChat pay)のスマホ決済を巡るシェア争いの歴史を軽く振り返っていきたいと思います。電子決済サービスを中国で初めて普及させたといっても過言ではないのが、アリババグループが提供する支付宝(Alipay)です。支付宝(Alipay)は元々は2004年にアリババグループのECサイトでの取り引きの際、売り手と買い手の支払いトラブルを防ぐために作られたオンライン決済システムで、当初はECサイトでの利用が主流でした。それがスマホの普及とともにネット通販での利用に加え、振り込みや公共料金の支払い、小売店での支払いにも利用用途を拡大していき、決済金額ベースの中国市場シェアは2014年時点で8割を占めていたとみられています。微信支付(WeChat pay)がサービスを開始したのは、支付宝(Alipay)より10年遅い2014年ですが、スマホ向けチャットアプリ・微信(WeChat)の膨大な利用者を1~2年の短期間で取り込み、2016年9月末時点の中国市場シェアは支付宝(Alipay)の5割に迫る4割にまで達しているといわれています。

微信支付8.3億人が利用、支付宝に倍以上の差

微信支付(WeChat pay)が支付宝(Alipay)から市場シェアを奪うことができたのは、ネット通販や公共料金の支払いに加え、小売店などの実店舗での決済に対応できたからだとみられています。微信支付(WeChat pay)を展開するテンセントは、タクシーや飲食店、理髪店、食料品店、雑貨店などあらゆる店舗に人海戦術でスマホ決済用のバーコードを提供。飲食店など複数人で支払う際の「割り勘」機能や現金のプレゼント機能なども奏功し、日本経済新聞まとめによりますと、微信支付(WeChat pay)の利用者数は2016年9月末時点で8.3億人と支付宝(Alipay)の同4億人に大きく差を付けています。テンセントは今後、微信支付(WeChat pay)の利用範囲を医療、教育、社会保険、交通に広げていくほか、中国全土、日本をはじめとする中国人観光客が訪れる海外の国々でも普及させていく計画です。

“提案、優遇”で1人当たり売上高アップ 支付宝

微信支付(WeChat pay)に市場シェアを奪われるの支付宝(Alipay)も手をこまねいて見ているだけではありません。微信支付(WeChat pay)があらゆる決済に対応する“待ち”の戦略に対し、支付宝(Alipay)を提供するアリババグループはネット通販で利用者のお目当ての商品を提案するほか、信用力のある顧客を優遇する“攻め”の戦略で利用者の囲い込みと利用者1人当たりの売上高アップを図っています。具体的にはビッグデータ解析や人工知能(AI)を活用。AIを使った画像認識システムではスマホで撮影すると、アリババグループのECサイト・淘宝(タオバオ)に出品されている商品群の中から類似の商品を選び出すといいます。また、支付宝(Alipay)は、利用者の利用実績を基に個人の信用力を評価するサービスを開始しました。スマホ画面で利用者の信用力が算出され、評価が高いほど優遇サービスが受けられるといいます。優良と判断された利用者は、分割手数料やホテル宿泊のデポジットの免除、低金利融資が受けられるなどの優遇がされるそうです。信用力の高い顧客情報は、中国の小売企業などにとっても価値が高く、アリババグループはさまざまな企業と連携し、優良顧客を対象にしたサービス開発を進めていく方針です。

アリババ、テンセントとも業績好調、今後の行方は⁉

微信支付(WeChat pay)と支付宝(Alipay)の市場シェア争いは、微信(WeChat)を提供するテンセントと、淘宝(タオバオ)・天猫(Tmall)などのECサイトを運営するアリババグループとの中国のスマホ利用者を巡る争いの縮図といえるのではないでしょうか。テンセントの2017年1~3月期決算は、売上高が前年同月比55%増、アリババグループの2017年1~3月期の売上高が56%増と両社ともに業績は右肩上がりを続けています。両社の異なる点といえば、テンセントが微信(WeChat)の利用者数を9億人を突破させるなど利用者数を急激に増やしているのに対し、アリババグループのネット通販を頻繁に利用する利用者数は約4.5億人と伸び悩んでいる点です。テンセントの微信(WeChat)はコミュニケーションツールとしての機能はもちろん、スマホゲーム、クラウドサービス、スマホ決済など多様な機能が利用者数の増加と好業績を牽引しています。一方、アリババグループは、1人当たりの平均購入額が3割以上増えるなどネット通販の売上高アップが、好業績を支えています。現在、中国のスマホ決済市場で金額ベースでは支付宝(Alipay)がわずかに微信支付(WeChat pay)をリードしていますが、一般的に利用者数の基盤が大きいほどデータ解析やサービス提供で有利になるといわれており、微信支付(WeChat pay)を提供するテンセントの“脅威”がアリババグループや支付宝(Alipay)を脅かす展開が今後も続きそうです。

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