QRコードの機能変更

2017年2月20日に支付宝(Alipay/アリペイ)のQRコード機能の変更が行われました。中国では支付宝(Alipay/アリペイ)や微信支付(WeChat Pay)といった、 スマホアプリのQRコードを使ったモバイル決済が広く普及していてキャッシュレス経済が急速に進行しています。都市部の日常の買い物ではモバイル決済が主流になってきています。買い物をしたときの支払いには、スマホのアプリを起動させてQRコードを表示させ、それをレジで読み取ってもらうことで支払いができます。この場合、支払いを受ける店舗側には専用のバーコードリーダーなどのシステムが必要です。しかし、支付宝(Alipay/アリペイ)はQRコードを介した受け取り機能をバーコードリーダーなどの設備がないシーンにまで拡大していて、QRコードがありさえすれば遠隔地からでもオンラインで金銭のやり取りが可能だったのです。しかし、その結果QRコードを悪用したオンライン犯罪が多発し問題になっていました。QRコードによる決済への入り口はハードルを低くしておきたいが、犯罪の多発は抑えなければならない支付宝(Alipay/アリペイ)が選択した今回のQRコード機能の変更について考えてみたいと思います。

QRコード詐欺は自転車シェアリングにまで

支付宝(Alipay/アリペイ)のQRコードを悪用した詐欺事件が多発していました。ある淘宝(タオバオ)の出店者が商品の購入を装う犯人から、支払いをするのでのQRコードを送っとくれと求められ、指定された操作方法でQRコードを相手に送ったところ、それが代金を受け取れるQRコードではなく、支払い用のQRコードであったために数千元の被害に遭うという事件が起きています。最近では、今中国で話題になっているofo (共享単車)などの自転車シェアリングサービスを悪用した詐欺事件が増えています。これは、シェアリングサービスを利用するためのQRコードと思わせて自転車に貼られた偽のQRコードをスキャンさせることで、スキャンした人の支付宝(Alipay/アリペイ)のアカウントからお金が犯人宛てに振込まれるように仕組まれた手口です。この手の詐欺は、フィッシング詐欺のように偽造サイトを構築する必要もなく、自分宛の振込み用のQRコードをプリントしてそれを路上に駐輪してる自転車に貼り付けるだけで仕掛けるこられることもあって急速に広まっているようです。

ネット詐欺を防止するためのに

支付宝(Alipay/アリペイ)の機能にどのような変更があったかというと、QRコードによるオンラインでの支払い機能はなくなり、オフラインでの支払い機能に限定されました。コンビニなどでの買い物の支払いはこれまでどおりできるのですが、ネット上でQRコードを介して誰かに支払ったり、誰かから受け取ったりということができなくなったのです。今後はQRコードを使って「受け取り」をしたい場合には、支付宝(Alipay/アリペイ)のアプリの画面の右上に表示される「+」をタップして「我要收款」を選択し、そこに表示されるQRコードを相手に示し、それをスキャンしてもらうことで「受け取り」ができます。

犯罪防止よりもこちらがポイント

さらに、2017年2月28日から注目すべき新しい機能が正式に開始されました。それは代金などを受け取る機能を持たせたQRコードが追加されたことで、このQRコードを使うと対面での金銭の収受ができるのです。新バージョンの試用版が2週間前から発表されていたのですが、毎日約20万人のユーザーがダウンロードしてこの新機能を利用したそうです。この機能によって対面販売での代金のやり取りがキャッシュレスでスピーディーに行われるだけではなく、あとから出納の記録が調べられるのでスマホ上で売り上げ管理ができ、帳簿の記帳からも解放されることになります。また、支付宝(Alipay/アリペイ)から個人の銀行口座への払い出しに際し、2万元を超える場合は0.1%の振込手数料が発生していたのですが、この新しい代金受け取り用QRコードを使って受け取った分の払い出しには2万元を越えても手数料がかからないことになったのです。この新しい機能によって誰がメリットを感じるかというと、レジやバーコードリーダーを持たない零細な小売業者です。この新機能は、小規模の店舗や、屋台で飲食店を営業をしている人たち、さらにはリヤカーで果物や野菜を販売する人たちにまで一挙にキャッシュレス決済の利用を拡大に結びつきます。代金受け取り用のQRコードをプリントアウトした紙を店先の目立つところにぶら下げるか貼っておけば、それを買い物客のスマホでスキャンしてもらうことで、キャッシュレスで代金の受け取りができるのです。支付宝(Alipay/アリペイ)では小売業者が希望すれば、この代金受け取り用QRコードと支付宝(Alipay/アリペイ)決済が可能なことを告知する販促用のボードを無料でプリントアウトして住所地まで届けるというサービスも始めています。

キャッシュレス経済へさらに加速

中国ではフィンテックの急速な発展が従来からの伝統的な金融システムにイノベーションをもたらしています。モバイル決済のプラットホームが急速に拡大したために、現金やデビットカード決済社会からクレジットカード社会を飛び越えて、一挙にキャッシュレス社会に移行しつつあります。中国のモバイル決済市場では、阿里巴巴(Alibaba/アリババ)の支付宝(Alipay/アリペイ)と腾讯(Tencent/テンセント)の微信支付(WeChat Pay)とが激しい争いを繰り広げていますが、この争いに百度(Baidu/バイドゥ)の百度銭包(Baidu Wallet/バイドゥウォレット)も加わり、外国からは苹果支付(Apple Pay/アップルペイ)も中国に上陸し、競争はますます激しくなっています。その激しい競争が中国のキャッシュレス社会への進行に拍車をかけている状態です。支付宝(Alipay/アリペイ)では今後5年間で中国経済のキャッシュレス化をリードしていくと表明していて、今回の代金受け取り用QRコードのリリースはその第一弾と位置づけています。都市部ではほぼ飽和状態といわれる中国のEC市場ですが、次の市場は農村部であることは多くの人が指摘しているところです。小規模な屋台の飲食店やリヤカーで果物や野菜を販売する人たちは農村出身者が多いといわれていますが、この層を支付宝(Alipay/アリペイ)が囲い込もむことを狙った今回のQRコードの機能の変更は阿里巴巴(Alibaba/アリババ)が目指す「農村EC」への布石なのかもしれません。

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