インバウンド 中国決済

ローソンが一挙に全店で支付宝決済対応

支付宝支払いがローソン全店で可能に

ローソンは春節(旧正月)シーズンの休暇に中国からの訪日客が増加するのに合わせ、2017年1月24日から全国のコンビニエンスストアなど約1万3000の店舗で、アリババ集団の電子決済サービス支付宝(アリペイ)を導入している。

コンビニを利用する外国からの旅行者の客単価は1800~2000円に達しており、これは日本人の消費者の約1.2倍に当たる。ローソンでは2016年1月から成田国際空港、羽田空港や関西国際空港などに展開する9店舗で試験的に支付宝を先行導入しているが、支付宝決済の利用者が「特に高い平均客単価」であったため、今回ローソン全店での対応を開始したのだ。

コンビニでの支付宝決済は、セブン-イレブンやファミリーマートでも一部店舗で導入されているが、全店舗での展開はローソンが初めてとなる。
(出典:https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/012300548/)

中国はキャッシュレス社会先進国

中国では急速にキャッシュレス経済が進行している。外出時に現金を持っていなくても、スマホと交通ICカードさえあれば困ることはないほどだ。上海では街頭でスマホをかざして物乞いをする人も現れているくらいで、自分のスマホに5元でいいから送金してくれというのだ。

支付宝はアリババグループが提供する、中国最大規模のエスクロー決済サービスのスマホアプリで、実名利用登録者数は4.5億人にもなる。自分の銀行口座と紐付けしておけばスマホの操作だけで簡単にチャージができるため、給与振込口座を登録しているユーザーが多数を占めている。

中国ではコンビニや飲食店での支払いや公共料金の納付やチケットの購入、タクシー料金などの支払いが手軽にスマホの操作だけでできるため、中国人にとっては毎日どこかでお世話になる、お財布代わりのサービスなのだ。

来日する中国人旅行者にとって、釣り銭がジャラジャラと増える日本のシステムはなんともスマートではない。支付宝が利用できれば両替も不要で、お釣りの硬貨も増えず、スマートにショッピングができる。ローソンを利用する大きな動機付けにもなるだろう。

支付宝の狙いは世界中の中国人の支払いの囲い込み

支付宝の狙いは、中国国内でのモバイル決済に慣れた中国人旅行者の、海外ショッピング支払いを囲い込むことだ。昨年は1億2000万人以上の中国人が海外を旅行し、2000億ドル(約22兆円)近くを消費したといわれている。

支付宝の海外展開のスピード感は目を見張るものがあり、2016年にはミュンヘン、成田、オークランドをはじめとする海外の10の国際空港と提携し、これらの空港内のショップやレストランで支付宝が使えるようになっている。

この動きに呼応するように、世界の小売業者も中国人客を呼び込もうと、支付宝の導入に動いているのだ。今回の支付宝とローソンとの提携も、この世界戦略に沿ったものであると言えるだろう。

中国人旅行者に優しい支付宝アプリ

支付宝アプリを使えば、旅行中でも支付宝決済に対応している最寄りのローソンを探すことが可能だ。支付宝はスマホアプリなので、機能の追加など設計上の自由度が高く、単なる決済手段ではない。観光情報やショッピングのガイド機能を追加して、日本国内のローソンに中国人旅行者を誘導することが可能なのだ。

また、ローソンでは中国人旅行者に向けたサービスとして、支付宝の対応と同時に免税対応も進めている。店内の免税対象品の値札のQRコードをスマホでスキャンすると、11カ国語で商品情報を提供するサイトを閲覧できるようになっている。

免税手続きはレジで購入代金を支払った後、専用カウンターでパスポートとレシートを提示して消費税の払い戻し受けるというシステムだが、ローソンではこの免税対応の店舗を現在の105店から2020年までには3000店に増やす計画がある。
(出典:https://www.sankei.com/economy/news/170123/ecn1701230016-n1.html)

中国人観光客対応だけが狙いではない

中国人旅行者に日本国内の1万3000店で支付宝を利用してもらうことによって、それらの顧客に対し、中国へ帰国後も引き続きローソンの商品情報を配信したりすることができる。このようにして、中国現地のローソンへの集客もできるのだ。例えば、クーポンを発行するなどのアプローチが可能になる。

中国にはセブン-イレブンが1644店、ファミリーマートが2181店あるが、ローソンは1399店と、日系コンビニ3強の中では大きく出遅れている。
(出典:https://zuuonline.com/archives/185403)

この遅れを取り戻そうと、ローソンは2020年までに中国国内の店舗数を現在の2倍以上に相当する3000店に増やすという目標を打ち出している。ローソンは支付宝を日本国内で対応させることにより、単に中国人観光客の来店を誘致するだけにとどまらず、中国市場での出遅れを取り戻したいのだ。

支付宝との提携の先にあるローソン銀行

ローソンは現在、銀行を設立して金融事業に参入する計画を進めている。コンビニが立ち上げた銀行といえば「セブン銀行」だ。セブン銀行は、銀行でありながら融資やローンなどをメインの事業に据えているわけではなく、その収益の大部分を「ATM使用手数料」から得ている。

ローソンも同じコンビニ業界での成功例だ。セブン銀行のように「ATM使用手数料」で収益を上げるだろうと予想されるが、それだけではセブン銀行に追いつくことはできないだろう。先行するセブン銀行に対抗していくには、ローソンにしかない金融サービスを打ち出すことが不可欠だ。

2018年8月10日のニュースリリースでは、ローソンが銀行業の営業免許を取得したことが発表された。これからはローソンでもローソン銀行のATMが利用できる。インターネットバンキングなどのリテール事業も同時進行する予定だ。
(出典:https://www.lawson.co.jp/company/news/detail/1341297_2504.html)

やがて到来するキャッシュレス社会

今後日本でもキャッシュレス社会が急速に進行すると予想されている。キャッシュレス先進国である中国から来た究極のモバイル決済ツール、支付宝との提携によって、ローソンが支付宝から多くのノウハウを得ることができるだろう。キャッシュレス社会ならではの決済システムなど、新たな金融サービスを強みにしてセブン銀行に対抗していくのかもしれない。

2016年から2017年にかけてモバイル決済の分野では、アメリカからAppleの苹果支付(アップルペイ)、GoogleのAndroid Pay(アンドロイドペイ)、日本から楽天の「楽天ペイ」、LINEの「LINE Pay」、さらに中国からは支付宝と微信支付(ウィチャットペイ)が参入している。

これら大手の参入が相次ぎ、モバイル決済各社は日本を戦場にして激しい覇権争いを繰り広げている。ローソンと支付宝との提携は国内モバイル決済業界に影響を与え、さらには日本のキャッシュレス社会の進行に拍車をかけるかもしれない。

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