中国語検定とは?その種類を徹底解説
1. 日本で有名な中国語検定一覧
中国語学習者にとって検定試験は、自分の実力を確認し、学習のモチベーションを高める手段です。以下に、日本で特に認知度の高い検定をリストアップします。

2. 華語文能力測験(TOCFL)とは
TOCFLは台湾政府が主催する中国語能力試験です。試験は繁体字を用い、台湾の大学や企業への進学・就職に必須となることがあります。試験レベルはA1からC2まであり、受験者の幅広いニーズに対応しています。
↓「繁体字」と「簡体字」の違いはこちらから
3. それぞれの検定の基本情報と位置づけ
中国語検定(中検)は日本国内の学習者向け、HSKは国際的な中国語能力の指標、TOCFLは台湾での評価基準として利用されています。学習目的や進学・就職の目標によって選択する検定が変わります。
各中国語検定の難易度と特徴
1. 中国語検定(中検)の難易度と特徴
中国語検定(中検)は日本で最も歴史のある中国語の試験です。難易度は5級(入門レベル)から1級(ネイティブに近いレベル)まで5段階に分かれています。中検の特徴は、文法や翻訳問題に重点を置いている点で、特にリーディング能力や文法知識を重視した内容となっています。
- 難易度: 初心者~上級者向け(文法が重視され、1級は非常に難易度が高い)
- 主催団体: 公益財団法人日本中国語検定協会
- 特徴: 日本人にとって使いやすい内容だが、実用的な会話能力の試験は少ない。
2. HSK(漢語水平考試)の難易度と特徴
HSKは中国政府が主催する国際標準の試験です。1級(初心者向け)から6級(上級者向け)まであり、リスニング、読解、作文を通じて総合的な中国語能力を測定します。
- 難易度: 初心者~上級者向け(6級はネイティブに近い高度な言語能力が求められる)
- 主催団体: 中国政府教育部 孔子学院总部
- 特徴: 会話や実践的な中国語能力の評価に優れ、留学や就職に活用されやすい。
3. TOCFL(華語文能力測験)の難易度と特徴
台湾のTOCFLは繁体字を使用するため、台湾華語を学びたい人に適しています。試験はリスニングと読解が中心で、レベルはA1からC2まで細かく設定されています。
- 難易度: 初心者~ネイティブレベル(繁体字の理解が必須)
- 主催団体: 台湾教育部
- 特徴: 台湾の大学進学や企業就職に必要不可欠。繁体字文化圏での学びに最適。
実用性と活用の違い:中国語検定 vs HSK vs TOCFL
1. 日本国内での就職活動に有利なのは?
日本国内での就職活動では、中国語の資格が採用に直接的な影響を与えることは多くありませんが、業界や職種によっては評価されるケースがあります。例えば、貿易や観光、IT・製造業など、中国と関わりの深い業界では、資格が即戦力として認められる場合があります。
一般的な企業では英語スキルのほうが重視されることが多く、中国語資格が採用の決定要因になることは少ないのが実情です。
最終的には、資格に加え、実務で中国語を使える経験やスキルを具体的に示すことが鍵となります。資格単体よりも、実践力をアピールすることが就職活動を成功に導くポイントです。
2. 中国または台湾本土での就職活動に有利なのは?
中国本土や台湾での就職活動では、現地の企業が要求する中国語能力基準を満たすことが重要です。
- 中国本土:
中国本土では、HSKがほぼ唯一の指標として活用されます。多くの企業で、HSK4級以上を最低条件としており、特に外資系企業やハイレベルな職種ではHSK5級または6級を取得していることが求められます。また、ビザの取得の際も加点になります。 - 台湾:
台湾での就職活動では、TOCFLが用いられます。特にレベルB2以上のスコアを持っていると、台湾の企業や公的機関から「実務で使える台湾華語能力を持つ」と判断されやすくなります。台湾では繁体字が標準で使用されているため、TOCFLの取得は台湾華語学習者にとって信頼性の高い資格となります。
さらに、中国語能力に加えて、英語力を証明する資格(TOEICやIELTSなど)も併せて取得することで、よりよい点は両国共通です。
3. 中国・台湾の大学入試に有効な検定
中国の大学に入学を目指す場合、HSK(漢語水平考試)は必須条件となることが一般的です。
文系学部では、授業で高度な読解力と文章表現力が求められるため、HSK5級以上が条件とされる大学が多く、一部の大学ではHSK6級を必須とすることもあります。人文科学や経済学などの専攻では、中国語での高度な講義やディスカッションに対応する能力が求められるためです。
理系学部では、専門用語や基礎的な中国語の理解が求められるものの、文系学部ほど高い文章表現能力は必要ありません。そのため、HSK4級以上が条件とされる大学が多いですが、難関の学部(例:医学部や工学部)ではHSK5級以上が求められる場合があります。
台湾の大学進学を希望する場合は、TOCFL(華語文能力測験)の取得が求められることが多いです。
TOCFLは繁体字を使用するため、台湾華語への理解を示す重要な指標となります。特に、レベルB1以上を求める大学が多く、進学先によってはTOCFLのスコアが奨学金申請の要件になる場合もあります。
3. ビジネスや日常会話で役立つ資格は?
ビジネスや日常会話で役立つ資格としては、HSKが最も実用的です。HSKはリスニングや読解、作文を通じて総合的な中国語能力を評価するため、実際の会話や業務でのコミュニケーション能力を証明しやすい点が特徴です。特にHSK5級以上を取得していると、ビジネスシーンや日常会話でスムーズに中国語を使えるレベルと見なされます。
一方、中検は文法や翻訳の能力を重視しており、会話よりも文章作成や読解力が求められる職種で役立つ資格です。それぞれの目的に応じて選びましょう。
まとめ:中国語学習者におすすめの検定の選び方
目的別におすすめの検定を選ぶ
- 日本国内で資格として活用したい: 中国語検定
- 中国での進学・就職を目指す: HSK
- 台湾で学ぶ・働くことを考える: TOCFL
各検定のメリット・デメリット比較
- 中国語検定: 日本での認知度が高いが、国際的な評価は限定的。
- HSK: 世界的に認められているが、日本国内の一部では認知度が低い。
- TOCFL: 繁体字を扱うため、台湾以外では汎用性が低い。
自分の学習目標に合った検定を見つけよう
中国語を学ぶことは、単なる語学の習得を超えて、中国の豊かな文化や歴史への理解を深める貴重な体験です。言葉を通じて新しい考え方や価値観に触れることで、世界観が広がる楽しさがあります。また、自分の学習状況を確認し、次の目標を見据える手段として資格試験を活用するのも良い方法です。
HSKや中検、TOCFLといった資格試験は、自分の中国語スキルを客観的に測る指標となるだけでなく、学習のモチベーションを高めるきっかけにもなります。資格取得を目指す過程で、自然とリスニング力や読解力、会話力が向上し、学びの幅が広がります。目的や自分に合った試験を選び、楽しみながら中国語学習を続けていきましょう。資格は学びの一環として活用し、自信と実力を育む一助となるはずです。