概要:ミニプログラムは名実共にブラウザとなったが、依然として限定的が多い。
深夜23:27、ミニプログラムのEコマースツールである“SEE小電舗”の創始者である万旭成氏はチームのメンバーと共に独身の日の1日あたりの売上が100万元を超えたことを祝うため、会食の最中でした。その時、彼のWechatにある情報が表示されました。「ミニプログラム内で直接webページが開けるようになる。更に500の公式アカウントとバインディングできる。」その場にいたメンバーはその情報を見て、一気に沸き立ち、すぐさま会計を済ませ、会社へと走り、深夜3-4時まで会議をしました。
万旭成氏の当初の反応とは、「仮にH5(HTML5)を組み入れることが出来るなら、それはミニプログラムの将来の創業者がwebの世界全体への情報トラフィックとサービスのトラフィックに影響を与えることを意味するのです。」でした。彼と同じように、少なからぬ開発者がこの情報について、ここ半年間でのWechat最重要な最新機能のニュースが発信されたと考えました。では、この2つの機能は何を意味するのでしょうか?
1. ミニプログラムは500の公式アカウントにバインディングできる。
2. ミニプログラムはwebページを直接開くことができ、Webページからミニプログラムへ戻ることをサポートする。
以前の単一のミニプログラムでバインディングできる公式アカウントの数量は50でしたが、500まで拡張されたことでSEE小電舗の業務に直接的に影響することになりました。この企業は元が自社メディアであり、電子商取引の営業を行っており、営業ツールとサプライチェーンを提供する企業でした。6月にミニプログラムでの業務を開始し、10月までに3,000の公式アカウントを集めていました。「多くの自社メディアはWechatの支払のインターフェースがなかったため、我々が代金回収を行っていました。今では、1つのミニプログラムでより多くの公式アカウント向けにサービスの提供が可能です。」
更に開発者に注目させたのは、ミニプログラムがWebページを組み込めることでした。これはWechatがミニプログラムの封鎖的な環境を打破しようとする試みを意味し、外界の情報トラフィックとサービスのトラフィックに新しい流れを開通したことを意味します。ミニプログラムは正にブラウザのようになってしまったのです。「群応用」の創業者である楊芳賢を含めた多くの創業者が、今回の変化をミニプログラムの戦略の転換であると考えています。
ミニプログラムに注目し続ける方にとっては、もしかしたら既知のことかもしれませんが、1月にミニプログラムが公開された後、WechatがミニプログラムとH5を比較し、優位な体験として売りにしていたのは、開発の難易度が低いこと、周期が短いことなどでした。市場はこの情報を受け取り、Wechatがミニプログラムの環境でH5を代替するという意志と捉えていました。結局のところ、モーメントの中でウイルスのごとく広まっていたH5は、かつてはWechatの悩みの種だったのです。
2008年に草案が発表されてから、H5の技術の進化は10年近く続き、相対的に成熟しています。2015年の統計によると、その1年に80%のAppがH5のアーキテクチャに基づきWebページを作成していました。飛燕の創業者の張翔氏は、現在のミニプログラムはH5に開放されており、それは多くの人がH5を用いてAppを制作した当時と同じであると考えています。結局のところ、相互に作用し合うことで表現力が高い製品になり、外部の製品やトラフィックを自らの環境に組み込むのです。
技術的に見ると、開発者にとって開発の敷居が大きく下がりました。あるAppの開発者はH5の多くのアーキテクチャの機能を直接ミニプログラムへ組み込むことが出来ると考えています。ミニプログラムは一貫して手軽で簡単な階層であるため、以前にミニプログラム内での体験に影響を受けていた大規模な電子商取引業者でも、Webページをジャンプするという方法でユーザーの体験をより快適なものに出来ます。「フロントエンドへの人員配置が少なくなるので、集中してweb appの開発に注力できます。」小年糕の創業者である茹海波氏は語りました。
では、ミニプログラムがジャンプできることは開発者にとってどの程度大事なことなのでしょうか?
万旭成氏が36krへの説明では、電子商取引業者を例にとって見ると、タオバオ系の電子商取引業者のユーザーは平均して5つの商品を見て注文を出すそうです。これはつまり、1つに留まらず複数のブランドのWebページの間をジャンプし、何についてお金を支払うか直接決めていることを意味します。「以前のミニプログラムは外部の情報データについて封鎖的でした。ユーザーのトラフィックが断ち切られてしまうのです。(ミニプログラムでの)滞在時間も短くなってしまいます。」
電子商取引業者以外について、業界内の一般的な見方は、ミニプログラムがWebページへのジャンプを開放したことでゲーム、販売系のコンテンツの支払へ最も有利に働くと考えています。
ゲーム内のバーチャルな商品の購買と現金化の効率が目に見えて高まるのも、この原因はWechatとアップルが互いに譲らず、ミニプログラムがこれまでずっとゲーム類に開放されなかったことにあります。現在では、Wechatがミニプログラムを開放し、Webページを組み込めるようになったのは所謂「曲線救国(間接的な戦略)」の方法であるといえます。また、H5系のゲームの開発者も一部が市場に存在するため、ミニプログラムがH5を組み込むことでこれらのユーザーも自然に移って来ることになります。
相対的に、ゲーム系が直面したようなコンテンツの支払問題についても利益が得られます。まずコンテンツを楽しみ、H5のQRコードの方法で直接代金の支払を受け取れるのです。「Wechat内の小説やコンテンツの閲覧に支払われる金額は1日当たり5億に達しない程度です。非常に大きなビジネスです。」アラジンのCEOである史文禄氏は36Krにこのように語りました。
しかし、ミニプログラムの外部のWebページへの接続を開放は、初期段階であり、現段階では多くの制限を受けています。
Wechatの現時点の規定では、各ミニプログラムのアカウントには20のドメイン名を設定することができ、各ドメインには最多で20のミニプログラムのアカウントをバインディングできます。ジャンプの範囲はまだまだ限定的です。
朋友印象が、新機能の公開後に試験を行いました。会社の共同創始者である栗浩洋氏が36Krに伝えるところでは、「WechatのWebViewへの開放とは、H5の情報を表示しているに過ぎず、どこにもジャンプできません。つまり、これは我々がこれまでミニプログラムのトラフィックを外部へ流したい(アプリの店舗へとジャンプしたい)ことを意味しています。このことは今回の開放では実現されませんでした。今回の開放とは、我々にとっては一部の特定内容(内部的な営業活動ページなど)が表示できるに過ぎないのです。」
ミニプログラムはそのカバーできる範囲を拡大し、外部のWebページの情報により、安定的増加を続けるWechatを活性化し、ユーザーをさらに引き寄せています。これらはまだ始まりの段階ですが、Wechatの6月頃の足並みから考えると、何からの進展があったようであり、未来の全面的な開放もそう遠くはないようです。
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