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2025年大阪万博を訪れる中国人観光客の動向と訪日中国人集客戦略とは?

はじめに:2025年大阪・関西万博とは?

2025年に開催される「大阪・関西万博」は、日本にとって55年ぶりとなる国際博覧会。世界中から最先端の技術や文化が集まり、多くの観光客が訪れる一大イベントです。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。未来の暮らしや社会課題の解決を体験型で示す展示が数多く予定されています。

特に注目すべきは、海外からのインバウンド需要の回復と重なるタイミングであること。中でも、長らく訪日を待ち望んでいた中国人観光客の動きには大きな期待が寄せられています。

▶ 大阪万博の基本情報

項目内容
開催期間2025年4月13日(日)〜10月13日(月)
会場大阪市 夢洲(ゆめしま)エリア
アクセス大阪メトロ中央線「夢洲駅(新設)」から
入場料(大人)7500円(1日券)※その他、前売り・平日割引・通期パスあり

万博は“観に来るもの”であると同時に、“旅行のついで”でもあります。実際、海外からの観光客にとっては「万博を見る」+「大阪を楽しむ」というセットが前提。

その中で、自分の店やサービスが“ついで立ち寄り候補”になるかどうかが、今後の売上に大きく影響してきます。

1. 中国人にとって万博は特別な存在

「万博(World Expo)」という言葉は、日本ではあまり日常的ではないかもしれませんが、中国人にとっては非常に馴染みのある国際イベントです。特に印象的だったのが、2010年に中国・上海で開催された「上海万博」です。

上海万博は、約7,300万人もの入場者を記録し、中国全土で社会現象レベルの注目を集めたイベントでした。政府もメディアも一体となってPRを行い、学校の団体旅行、社員旅行、家族旅行など、あらゆる世代が訪れました。今、訪日旅行を計画している30〜40代の中国人は、当時学生や若手社会人としてこの万博を体験している世代です。

彼らにとって、「万博」は単なる展示イベントではなく、未来への希望、国際感覚、家族との思い出が詰まった特別な体験として記憶されています。
そのため、2025年の大阪万博にも「家族を連れてまた行きたい」「今度は日本で未来を体験したい」といった前向きな関心が寄せられているのです。

さらに、SNS時代の今、万博は“映えるイベント”としても注目の的。小紅書(RED)やWeChatなどでは、万博のチケット情報や日本旅行との組み合わせプラン、過去の万博体験談などが投稿され始めています。

つまり、大阪万博は、中国人観光客にとって「一度行ってみたい」「行ったことがあるけど今度はもっと体験したい」と思わせる高関心イベント
彼らが大阪に来る動機は強く、その“ついで”にどこへ行くか、何を食べるか、何を買うかを考える余地が十分にあるというわけです。

2. 中国人観光客は万博+大阪観光をどう楽しむ?

大阪万博を訪れる中国人観光客の多くは、「万博だけ」を目的にしているわけではありません。実際には、万博+観光・グルメ・買い物といった、複合的な訪日体験を求めています。

特に大阪は、中国人にとってすでに人気の高い都市のひとつ。関西空港からのアクセスが良く、ショッピング、グルメ、テーマパークと、観光資源が揃っているのも理由です。

▼ 実際によくある観光プランの例:

  • 宿泊エリア: 梅田・心斎橋・なんば(アクセス・買い物便利)
  • 観光スポット: 道頓堀、黒門市場、心斎橋筋商店街、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)、天王寺動物園など
  • 買い物: 大丸心斎橋、心斎橋パルコ、高島屋、アウトレット、ドラッグストア、電化製品店
  • 郊外日帰り: 京都・奈良(特に清水寺や鹿とのふれあいは定番)

▼ 中国人観光客が使う“情報源”は日本と異なる

ここで大事なのが、中国と日本では使われているインターネット環境がまったく違うということ。中国本土では、Google、Instagram、YouTube、Facebook、LINEなどは使えません。その代わりに以下のような中国独自のSNSや検索エンジンが主に使われています。

代表的な中国人観光客向けプラットフォーム

  • 小紅書(RED): 若者女性に人気のSNS型口コミアプリ。旅先の「映え」や「体験」を重視
  • 百度(Baidu): 中国版Googleとも言える検索エンジン
  • 大衆点評(Dianping): グルメや店舗の口コミを見るアプリ
  • WeChat(微信): 中国人のほぼ全員が使うメッセージ&生活インフラアプリ。店舗の公式アカウントやミニプログラムを通じて、情報提供、問い合わせ、会員登録、クーポン配信、決済などを一括で行える“生活に密着した総合プラットフォーム”。
  • 支付宝(Alipay): 決済はもちろん、店舗検索やプロモーション機能もあり

旅行計画を立てる際には、これらのプラットフォーム上で「大阪観光おすすめスポット」「大阪グルメ」「万博ついでに行くべき店」などのキーワードで検索されるため、そこに情報を発信しておかなければ見つけてもらうことはできません

▼ “ついで立ち寄り候補”になるための要素

  • 視認性の高い看板や外観(写真映え)
  • 小紅書などのSNSで紹介されていた(知っている)
  • 中国語表記や翻訳アプリが使いやすい環境がある(安心感)
  • WeChat Pay・Alipayなどの中国系キャッシュレス決済に対応している(便利)

つまり、大阪万博に来た中国人観光客は、「目的地としての万博」だけでなく、“体験全体”を充実させるために周辺情報を探している層です。
その情報は彼らが使っているSNS・地図・検索エンジン上にあるかどうかがすべて。
あなたのお店が見つけられなければ、存在していないのと同じ。
だからこそ、中国人に届く形で情報を設計し、掲載しておくことが必要不可欠なのです。

3. “ついでに寄りたくなる店”になるための戦略

中国人観光客にとって大阪万博は大きな目的地ですが、その移動中や滞在中には、買い物・食事・体験などの“ついで行動”が必ず発生します。

その際、どこに立ち寄るかを決めるポイントは、「たまたま見つけた店」ではなく、事前にSNSや地図アプリで見つけた“行く価値のある店”かどうかです。

つまり、“たまたま来てくれる”ことを期待するのではなく、“選ばれる必然”をつくる工夫が重要になります。

(1)中国語対応のSNS・地図サービスに情報を載せる

中国人観光客が旅行中に頼りにしているのは、日本で一般的なGoogleマップやInstagramではなく、中国国内で使えるSNSやアプリです。以下のようなメディアに自店の情報を掲載・運用することが効果的です。

  • 小紅書(RED): 実際に訪れた人の体験レビューが人気。写真映えするメニューや内装があると投稿されやすい。店側が公式アカウントを開設し、投稿することで信頼感もアップ。
  • 百度地図・百度検索: 店名・ジャンル・エリアで検索された際にヒットするため、地図・営業時間・写真・紹介文を中国語で登録しておくことが必要。
  • 大衆点評(Dianping): グルメや観光施設のレビューをチェックするアプリ。口コミ管理・クーポン提供など販促施策にも使える。

(2)“万博ついで”に立ち寄る理由をつくる

中国人観光客は、「理由のある行動」に価値を感じます。自分の店が万博と関係ない業種でも、万博に絡めた動線や特典をつけることで立ち寄る理由を明確化できます。

  • 万博会場やホテルエリアから「アクセスしやすい」
  • 「万博チケット提示で〇〇割引」など、限定の来店特典
  • 万博開催期間限定のオリジナル商品・記念メニュー
  • 店内で“万博に来た証拠写真”が撮れるようなスポット設置(SNS映え)

(3)インバウンド対応の基本を整える

観光客が「安心して入れる店」と思うかどうかは、設備面にも左右されます。

  • WeChat Pay / Alipay対応: キャッシュレス決済はほぼ必須
  • 中国語メニューや案内POP: 口頭説明がなくても選べるように
  • SNS投稿を促す仕掛け: ハッシュタグ、POP、投稿で特典など

特に「言語不安の壁」と「支払い手段の違い」をクリアすれば、安心して滞在してもらえる確率が一気に上がります。

万博のような国際的イベントの際には、来訪者が膨大な数になる一方で、滞在中にリサーチできる時間は限られています。
だからこそ、あらかじめSNSや地図上で“選択肢の中に入っていること”が最も重要です。

4. 祝日を見越した集客プランを立てる(2025年版)

中国人観光客の多くは、訪日時期を中国の祝日や大型連休に合わせて計画しています。
特に2025年は大阪万博と祝日が重なるため、訪日需要が集中するタイミングを狙った集客が重要です。

▼ 2025年・大阪万博期間中の中国の主な連休(中国政府発表)

祝日名日程連休日数特徴
労働節(メーデー)5月1日(木)~5月5日(月)5連休春の大型連休。国内外旅行が活発になる
端午節5月31日(土)~6月2日(月)3連休家族旅行が増える時期。短期旅行が中心
国慶節(建国記念日)10月1日(水)~10月8日(水)8連休年末に次ぐ最大の大型連休。旅行消費意欲が非常に高い

※中国政府(2024年11月発表)による正式スケジュールに基づく。

▼ 祝日に向けた集客のポイント

(1)事前のSNS対策がカギ

中国人旅行者は1ヶ月〜数ヶ月前からSNSや地図アプリで旅先の情報を検索します。
小紅書(RED)や大衆点評(Dianping)では、「大阪+〇〇」「万博ついでに行くべき場所」といった検索が急増するため、1〜2ヶ月前から投稿・露出を強化しておくことが効果的です。

(2)“祝日限定感”を出すプロモーション設計

「国慶節限定のプレゼント」「労働節キャンペーン開催中」など、期間限定・旅行者限定の特典を打ち出すことで、特別感が増し、来店意欲を刺激します。

(3)予約・事前購入導線を整える

WeChatミニプログラムや自社中国語サイトを活用して、事前に予約・来店登録ができる仕組みを用意しましょう。
また、小紅書で「事前予約できる」「並ばず入れる店」として紹介されることも、観光客にとって安心材料になります。

中国の連休に合わせた集客は、準備の早さが命。
ただキャンペーンを行うだけではなく、旅行検討段階で“選ばれる存在”になるための仕込みが求められます。

5. まとめ:万博は“見込み客が大阪に来てくれる”最大のチャンス

2025年の大阪・関西万博は、ただの国際イベントではありません。
中国人観光客にとって“行きたい理由”が既にある状態で、日本、そして大阪にやってくるタイミングです。

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このタイミングを活かせるかどうかは、次の3つにかかっています。

  1. 中国人が使っているSNSや地図で自店が見つかるか
  2. “万博ついでに立ち寄る理由”を作れているか
  3. 来店したくなる受け入れ体制が整っているか

言い換えれば、「いつも通り営業しているだけ」では選ばれません。
情報をきちんと中国語で届け、タイミングを見計らい、興味を持たせ、選ばれる存在になることが重要です。

万博は一時的なブームではなく、“未来のファン”を作るチャンスでもあります。
万博きっかけで来日したお客様が「また大阪に来たい」「次回もこの店に行きたい」と思ってくれるような体験を提供することが、長期的な顧客獲得につながります。