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快手、618を前に京東と提携、“2位連合”結成、抖音とアリババ打倒を誓い合う?

5月末、ショートビデオアプリ2位・快手と、ネット通販2位京東の提携が発表された。短視頻直播電商(ショートビデオライブコマース)の“新生態”、618セール白熱化のシグナル、などと評されている。その先行きを占ってみよう。

中国ネット通販は社会インフラ

同じく5月末、2ヶ月半遅れの全人代が閉幕した。新華社の内政総括記事には、新型肺炎に関わる経済支援策が多く、例年より軽い印象だ。育成重点産業の項目は以下の通り。

・工業インターネットの発展。

・智能製造の推進。

・養老・保育産業の発展。

・インターネット+の全面推進。

・ネット通販のサポート。

・宅配便の農村進出。

・5G応用の開拓。

・越境Eコマース等、新業態の発展。

・新エネルギー車充電ステーション拡充。

・省エネルギーと環境保護推進。

ネット通販のサポート、特に農村への浸透は、国家的な政策目標となっている。日本ではコンビニが社会インフラと言われたが、中国はネット通販が社会インフラなのである。

618直前の提携

京東は、そのネット通販業界2位の重鎮である。しかしトップ企業、アリババの背中は遠い。さらに全盛を極めるライブコマースでも出遅れた。ライブコマースでは、アリババの淘宝直播がリードし、ショートビデオの抖音(海外名TikTok)と快手が追う展開である。

2016年、淘宝直播と京東直播はほぼ同時にスタートしたが、大きな差が付いた。今年の618はそのリベンジのために快手の力を借りようというのだ。618とは、元々京東の創業記念祭である。ここ数年、上半期の双11(11月11日独身の日セール)的存在に成長した。競合各社も便乗し、大きな賑わいを見せている。

今年は新型肺炎による“宅経済”の反動、リベンジ消費も期待できる。6月16~18日の3日間、快手のライブコマースに、京東が商品を供給する。

快手のメリット

快手の責任者は、最も重要な点はサプライチェーンの提携にあるという。京東のサプライチェーンと、小売ノウハウを、快手のプラットフォームへ注入する。双方で競争力の高い商品をプールし、ライバーはその中から自由に商品を選択する。

また提携は、快手ユーザーの一流商品やブランド商品に対する需要に応えるものだ。また双方は、ブランドマーケティングを共同で構築、快手のライブに、京東の営業力や“契約履行能力”、購買データ等を提供する。

業界事情通によれば、快手は、これでライブ商品の不足を解消できる。これまで快手を利用するのは、中小のネットショップに集中していた。京東の力によって、有力なブランドを集められれば、それだけで広告費、物流費の節約になる。快手にとって悪いことは何もない。

“直播帯貨”の衝撃

ライブコマースの中でも、より有名人の影響力に依拠したものを“直播帯貨”といい、現在、流行語となっている。4月以降、その爆発力を見せつける事例があいついだ。快手は、その当事者の1人である。

5月10日、家電メーカー格力(GLEE)と行ったライブコマースでは、女性実業家として著名な董事長・董明珠が登場、3時間でGMV(成約総額)3億1000万元(47億円)を売り上げる“大戦果”を上げた。

5月15日、董明珠は、今度は京東との提携10周年にちなみ、京東直播に登場、GMVは7億300万元(106億円)を記録、2,829万のいいね、が集まった。

快手、京東の提携発表はその12日後である。

まとめ

2019年、快手のネット通販のGMV(成約総額)は350億元(5,300億円)だった。今年はライブコマースをテコに2,500億元(3兆7,800億円)を目標に掲げている。

ちなみに、淘宝電商は2019年にGMV2,000億元(3兆200億円)を達成している。快手は、京東と手を携えて、淘宝超えを目指そうというのである。

ショートビデオ2位・快手、ネット通販2位・京東の2位2位連合が、2X2=4倍のパワーを発揮するかどうか。ライブコマース界にまた1つの見どころが加わった。

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