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中国のライブコマース“直播帯貨”の大ブレイク、4月の羅永浩、5月の董明珠、次の有名人はだれ?

中国では新型肺炎の防疫体制により、宅経済(巣ごもり消費)が開花した。最大の変化は、オンライン依存が、大きく進行したことだ。中国ネット界では5G時代を目前に、文字から映像への転換が進んでいた。宅経済はこれを強力にプッシュした。その典型は直播電商(ライブコマース)である。そのうち直播帯貨とは、より主播(MC)の力に依拠した表現で、ネット上の流行語となっている。最新の潮流を見ていこう。

勢いずくライブ

防疫期間中、オンライン教育、ライブコマース、バーチャル旅行など、ライブ配信は全盛を迎えた。iiMediaの調査によれば、2019年第1四半期、ライブ配信を視聴した人の76.4%は、視聴時間が伸びた、と回答した。2020年のライブ配信ユーザー数は、5億2600万人になると見積もられている。

直播電商にとっても追い風だった。網紅(KOL、インフルエンサー)たちが活気つくとともに、ここへきてプラットフォーマー各社は、有名人を積極的に起用し始めた。有名人は登場の都度、大きな話題を振りまき、業界はますます活性化した。

羅永浩

火付け役となったのは、4月1日夜8時、抖音(海外名TikTok)の配信した、羅永浩ライブだった。彼は1972年吉林省生まれ、ネット配信を通じて教育者として有名となり、その後IT企業(錘子科技)の創業にも関わった。いわばネット時代の申し子である。抖音と快手、短視頻(ショートビデオ)アプリ2強の争奪戦となり、抖音が6,000万元(9億1,000万円)でゲットした。

注目の第1回ライブコマースは、4800万人が視聴し、売上1億1000万元(16億7,000万円)を記録した。抖音の音浪(1元=10音浪)収入は360万元(5,500万円)と過去最高を記録した。

2019年双11(11月11日独身の日セール)アリババの淘宝直播は、200億元(3,030億円)近い売上げを記録した。トップKOLの李佳琦や薇婭は、30億元(455億円)近く売り上げた。また快手のトップKOL、辛巴の2019年売上げは、133億元(2,015億円)だった。抖音にはそうしたスターKOLが存在しない。羅永浩がその候補、とささやかれた。

しかしその後4月に3回行われたライブは、視聴者数1000万人前後、売上げも2分の1~3分の1だった。

董明珠

5月の話題をさらったのは、電気大手・格力(Glee)の董事長、董明珠だった。中国を代表する女性事業家の1人である。彼女は1954年、南京市のごく普通の家庭に生まれた。1990年格力に入社、すぐに営業で頭角を現した。その後1994~95年の経営危機を支え、実力でトップに上り詰めていった。

その董明珠は、4月26日、抖音の直播に登場した。場所は格力の本社、製品を次々に紹介し、購入を促すスタイルだった。最高で21万人が視聴し、売上は258点23万2,500元(3,452万円)だった。音声が聞こえない、被る等トラブルが多く、多くの視聴者は中途退出してしまった。消化不良に終わった。

董明珠は5月10日、快手に乗り換え、2人のトップKOLと直播に登場した。3時間のパフォーマンス中、董明珠の出演は最初の30分だったが、そのときすでに売上げは1億元(15億2,000万円)を超え、最終的に3億1,000万元(47億円)に達した。これは自社ネット通販「格力董明珠店」の2019年間売上、3億5,000万元に匹敵する数字だ。彼女は、この破壊力を見て、直播電商に対する考えを改めたという。

まとめ

その他にも、売上げ低迷中のオンライン旅行大手、携程の創業者・梁建章が直播電商に登場した。また防疫指揮者として国民の信頼を集める鐘南山氏も、若き日を過ごした貴州省の農産品販売支援のため、直播電商に登場した。

また4月には、アリババ最高幹部と、トップKOLの不倫騒動も世間を騒がせた。もはや直播電商界は話題の中心地、ワイドショー状態になっている。次はどの有名人が、どれくらいの破壊力をもたらすのだろうか。興味はつきない。

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