中国 中国アプリ 中国事情

オンライン不動産の「房多多」ナスダックへ上場、最初の産業SaaS企業として脚光浴びる

11月上旬、中国最大のオンライン不動産取引プラットフォーム、不動産業界の淘宝(アリババのC2Cサイト)、とも呼ばれる「房多多」が、米国ナスダック市場へ上場を果たした。中国不動産業界のオンライン化は、さらに加速するのだろうか。不動産業界の近況を参照しつつ、今後を見通してみよう。

中国の不動産市場は臨界点

中国の不動産市況は、微妙な時期にある。基本資料「70大中都市商品住宅販売価格指数」9月版によれば、新築価格上昇都市は53、下降12、変わらず4、中古上昇都市は40、下降28、変わらず2(いずれも前月比)だった。問題なさそうに見えるが、新築下降12、中古下降28はいずれも今年最多である。そして中古の下降都市には、北京、広州、天津、杭州、厦門、青島、武漢、成都など、経済活況といわれる都市が含まれ、これは多少気にかかる。

そのため各都市は、これまでの限購政策(当該都市の戸籍や納税証明のない者には販売しない等)を緩めるなど、早めの対策を取っている。2009年以来続く不動産市場の活況は、臨界点に達した。バブル崩壊もあり得る。業界の誰にもそういう思いがあるようだ。

ナスダック上場までの道のり

そのような微妙な時期の上場だった。房多多の略歴を見てみよう。

2011年10月 深圳で会社設立。
2012年5月  PC版を立ち上げ。
2013年12月 年間GMV(取引総額)400億元(6200億円)突破。
2014年6月  モバイル版アプリ立ち上げ。
2015年10月 金融プラットフォーム立ち上げ。
2016年4月  アプリをアップグレード、イノベーションを起こす。
2018年3月  賃貸向け業務開始。
2019年8月  中国ネット企業100強入り。
2019年10月 世界ユニコーン企業264位にランクされる。

米国SECに提出したIPO目論見書によれば、2019年上半期の業績は16億400万元(250億円)、前年比55.4%増だった。年間売上は、2016年―14億7600万元、2017年―17億9900万元、2018年―22億8200万円と、順調に推移している。また1億30万元の利益を計上し、すでに採算ベースをクリアしている。赤字のまま上場した「瑞幸珈琲」「拼多多」「趣頭条」らに比べ安定感がある。

高い評価

ネットメディアや投資家の評価は、概ね高い。某投資家は次のように語っている。

「房多多の特徴は、完結した生態型(発展的状態の環境下にある)企業という点にある。不動産販売会社、開発会社、買い手、アフターサービス会社など、業界へ総合的なサービスを提供している。したがって房多多は、業界内全体の生態環境の改善にも寄与できる。」

また某メディアは、房多多は、最初から“不動産インターネット+アルファ”を目指していたと指摘する。伝統的な仲介プラットフォームとは違い、自身の発展のみならず、中小不動産業者への支援に注力してきた。そのためモバイル、クラウドコンピューティング、ビッグデータ技術を研究し、最新のSaaS型ソリューションを提供する。そして“産業インターネットSaaS、最初の上場企業”との高い評価まで与えている。

まとめ

房多多の持つ技術的アドバンテージは、業界が臨界点となって煮詰まっている今でこそ、有効なソリューションとして働くかもしれない。房多多は、今後、業界はレッドオーシャンへ向かうとみている。そのため、上場で得た資金の40%を研究開発につぎ込むという。

また10月末、房多多に続き、1賃貸物件プラットフォームの「蛋穀公寓」も米国SECに目論見書を提出した。

さらに最近では、中国人の日本不動産買いの神アプリと呼ばれる「神居秒算」も話題となった。これにより売買の利便性は格段に向上した。房多多と並び、不動産業界におけるインターネットの可能性を、新たに示したアプリだ。日本の不動産業界も中国に注目しておいた方がよさそうである。

「いいね!」して
最新情報をチェック

中国Webマーケティングラボを

中国ビジネスラボの更新通知を受取る

更新情報や新着記事を1週間に1通お届けします。