中国 中国B2B

発展する中国の工業B2B取引サイト③ 国有大企業支配の石油業界にも個性的なB2Bサイトが育つ

今回は、石油、石油関連業界を取り上げる。中国の石油業界といえば、中国石油化工集団、中国石油天然気集団が、中央国有企業の売上げ2位、3位を占め(1位は電力の国家電網)、ガソリンスタンドやコンビニまで経営して、業界全体を牛耳っている印象が強い。新興のB2Bプラットフォームに活躍の余地はあるのだろうか。「找油網」と「油客網」の2つを取り上げてみよう。

找油網

找油網は2015年、上海で設立された石油業界B2Bプラットフォームである。目標は、オンライン取引によって石油業界の流通効率を上げることである。ケロシン、ガソリン、燃料油と石油化工製品全般を扱い、最終的に石油関連産業の総合ネット通販を目指す。

找油網は2015年5月、鉄鋼B2Bサイトの找鋼網から500万元のエンジェルラウンド融資を受け、同年6月に事業をスタートさせた。B2Bネット通販界のパイオニア、找鋼網の石油版である。2016年以降は、有名投資機構からの融資を受け、順調に業容を拡大している。

またスタート直後から、地域会社の設立を始めた。現在、江蘇省、広東省、浙江省、湖北省、陝西省、四川省、遼寧省、山東省、河南省、9ヶ所に子会社を持つ。従業員数は800人を超え、この体制で100都市、1万社の顧客企業をカバーしている。

具体的にはどのような業務を行っているのだろうか。以下の3つを中心としている。

找油商城…売買マッチングサービス、品質管理、データ分析サービス、物流配送を提供する。顧客に取引の簡略化と、安定した価格での提供を目指す。物流では車両、運転手の管理から、現在位置の把握も可能だ。

零售加油…仲介ではなく、自社ディールの部門である。これを利用すれば、取引から決済までスピード化できる。条件交渉や価格交渉も可能だ。

老呂找油…顧客の所有権の管理、契約管理、契約補助、融資サービスなどを行う。

先行する找鋼網のノウハウを移植できたことは、大きなアドバンテージだった。

油客網

油客網は2009年6月、北京で設立された。当初の趣旨は、ドライバーを、最寄のガソリンスタンドへ導くことだった。

業務内容は次第に拡大していき、今では各地ガソリンスタンドの実勢価格はもちろん、さまざまな燃料ビッグデータを各方面へ供給している。一般ドライバーはもちろん、公共交通機関や運送会社など、大口需要家にとって必携のツールとなった。また、ベンツやフォルクスワーゲン、マツダなど外資系を含む各自動車メーカーにも、データを供給をしている。

現在全国約400都市、9万5000のガソリンスタンドのビッグデータ、リアルタイムデータを所持している。北京、上海、広州、天津、重慶、成都など主要都市では、90%以上のスタンドをカバーしている。

また製品についても、中国石油、中国石化、BP(ブリティッシュ・ペトローリアム)など14のブランドについて、動向を把握できる。

今後はガソリンスタンドの経営システムをシステム化していく。どこから仕入れれば、最も利益が上がるか、リアルタイムの助言をすることができる。

配車アプリ最大手の「滴滴出行」はライドシェアを通して、交通ビッグデータを蓄積しているが、油客網は、ガソリンなど燃料の動きを通じて、別の交通ビッグデータを収集していた。中国は交通ビッグデータの王国が実現しつつある。

まとめ

国有巨大企業の支配する業界だからこそ、サービス体制の穴は大きかった、というべきかもしれない。細部にわたるサービス需要はたくさんあった。新しいプラットフォームはB2B、B2Cを問わず、ネット通販石油製品の取引き効率化に大きく貢献した。

国有大企業の支配する重厚長大産業においても、IT化は着実に進んでいた。確かに国有大企業の内部改革を待つより、取引環境を改善した方が手っ取り早い。まだまだ改善余地はあり、B2Bプラットフォーム活躍の余地は大きそうである。

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