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中国×イノベーション 第7回 ニューコマース

アリババのジャック・マー会長は2016年10月、ニューコマース(新零售)の概念を発表した。今ではすっかり定着し、ネット辞書にも出ている。そこにはオンラインサービスと実体店での体験、及び現代物流を高度に融合させた新しい小売モデル、と出ている。最終形はOMO(Online Merges Offline)オンラインとオフラインの融合、どこにいても同じサービスを受けられる状況を作り出すことだ。それは具体的にどういうことであり、どこまで実現できているのだろうか。さらに最近では、社交電商、社区団購入などと呼ばれる共同購入も大流行している。中国小売業の最先端を見てみよう。

OMO各社の取組み

2016年1月、マー会長の発言の9ヶ月前、アリババは新概念スーパー「盒馬鮮生」上海金橋店をオープンさせた。見た目は普通の食品スーパーである。消費者は来店、またはアプリで発注し、デリバリーする。3キロ圏内なら30分だ。そのためのピッキング、ハンガーシステムを備え、バイク部隊を揃えている。生鮮では調理のオーダーも可能だ。猛烈な勢いで出店し、2019年6月末で150店舗を展開している。その他出資したオフライン企業、大潤発、三江購物などに、OMO型への改装を加えている。

ネット通販2位の京東は、「京東到家」というアプリを展開している。特色は、零細商店でも登録申請すれば参加でき、ニューリテールの担い手になれることだ。一方、ウォルマート、イオン、マクドナルド、ファミリーマート、良品舗子、名創優品など有名実体店企業のデリバリーを担当している。

蘇寧易購は、実店舗、ネット通販ともに強い企業だが、実体店舗の拡充に力を入れている。2018年は、コンビニ蘇寧小店4000店、蘇寧零售雲店1900店、その他蘇寧易購雲店、蘇寧極物、蘇鮮生、蘇寧紅孩、蘇寧影城、蘇寧体育、蘇寧汽車超市などグループで8000店もの実体店を出店した。2019年の出店目標は1万5000店である。実体店はAI端末で必要不可欠、とし“店倉一体”を掲げている。これがOMO発展の基点となるのか、逆に負担となるのか。今年は分岐点となりそうだ。

無店舗販売

一方、京東到家と提携したウォルマート中国の売場は荒れ気味で、倉庫のような様相だ。今後の店舗展開は、小型店中心にしていく。店舗自体の必要性は低下している。

当然、無店舗の業態も登場してくる。その代表は「毎日優鮮」である。同社は2016年創業の“倉庫のみモデル”である。今年6月の発表では、20都市に1500の倉庫を開設、1万人以上の人員が1日300万回の配送を行っている。野菜、果物、肉類、水産品、」乳製品、一般食品、酒類、総菜、軽食、ファストフード、油、日用品の12大品目、2000SKU優良商品を、最速1時間で配送する。

テンセントの智慧零售事業部と戦略提携を結び、2021年にGMV(オンライン上の契約総額)1000億元を目指す計画だ。

社交電商と社区団購

中国の小売業では、共同購入の要素が強く入り込んできた。それは拼多多の大成功に拠っている。拼多多は、家人、友人、ご近所などでグループを組み、低価格での商品購入を目指すC2B型のネット通販プラットフォームとして、2015年9月、スタートした。それからわずか3年で米国ナスダック市場への上場を果たした。2019年6月末までの1年間、GMVは7091億元、前年比171%である。

以来、社交電商または社区団購と呼ばれる業態が燎原の火の如く広がっている。ただし地域性が強く、全貌を捉えるのは難しい。

その中から、毎日優鮮の始めた社交電商「毎日一淘」のケースを見てみよう。2018年4月に設立、新しいS2S(Share To Shop)モデルの会員制アプリである。アプリには、“精選好貨”“優質低価”“次日送達”と表示されている。選び抜いた優良商品を、翌日に配達する、という意味である。OMOとの違いは、30分~1時間のデリバリー競争ではないことだ。翌日でもいいからより安く、というニーズを拾っていた。

毎日一淘は、設立1年で取り扱い10万SKU、会員数150万人、ユーザー数1000万人以上となった。

もう一例、蘇寧易購は、蘇小団と呼ぶ“社区拼団”の組織化を推進している。社区団購は社交電商より狭い範囲で、団長を中心に活動を行う。蘇寧は10万人の団長を募集し、今年6月の段階では4万人に達した。蘇寧小店を基点とするOMOだけでは不十分だ、という思想である。

未来の方向性は?

社交電商、社区団購の長所は、販売予約が入ることで、商品調達の精度を上げられる点だ。これを価格に反映できる。

ジャック・マー会長は、共同購入のここまでの発展は想定外だったろう。アリババもかつて運営していた「聚劃算」という共同購入アプリを、再登板させた。

社区団購は、地域ごとの特色が顕著だ。得意の商品さえあれば、WeChatという国民的SNSを利用し、独立して儲けることも可能だ。

いずれにしろOMOと共同購入がどう絡み合い、どの方向へ進むのか、これが中国小売業最大の焦点となっている。

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