中国 中国イノベーション

中国×イノベーション第1回、スマホインフラの形成に貢献した3社とは?

iPhoneが米国で発売されたのは2007年である。米国以外では翌2008年のiPhone3Gだった。同じ2008年、グーグルを中心にOHAという団体が組織され、Androidの開発が本格化した。スマホ時代の幕開けである。中国は、この新しいツールに、最も積極的に反応した。遅れていた通信インフラは一新され、世界的なスマホメーカーがいくつもできた。この新しいインフラの上に、中国は革命的なイノベーションを起こしていく。中国Xイノベーション第1回として、スマホインフラの形成から考察してみたい。

小米(シャオミ)

中国携帯の歴史は、1993年ころから始まる。当初市場を支配していたのは、ノキア、モトローラ、エリクソンなどの欧州勢だった。ソニー、シャープ、パナソニックなど日本勢もある程度食い込んでいた。

それがスマホ時代の到来とともに、ほとんど一斉に入れ替わる。アップルの他は、国産ばかりとなった。それを象徴するのは小米(シャオミ)の躍進である。

小米の創業者・雷軍は、King Softのプログラマーだった。同社の上場により財を成し、退社後はベンチャー投資を行っていた。その後、アイフォーンの登場に衝撃を受け、同志をつのりスマホの直接生産に乗り出す。そして2011年7月、アンドロイドをカスタマイズした「MIUI」を搭載した「小米手機」を発売した。シャープの液晶など一流メーカーのパーツを使いつつ、低価格に抑えた小米の商品は、大ヒットした。2013年には、799元の「紅米手機」を発売する。同機はローエンド市場を代表する機種となり、スマホの国民的普及に大きく貢献した。

2014年の企業価値は450億ドル、設立わずか3年で、世界的大企業となっていた。今では多様化を遂げ、スマホ売上げは全体の60%へ減少したが、依然として世界5位のスマホメーカーである。

中国移動(CMCC)

通信環境が整備されなければ、スマホは意味をなさない。中国の通信キャリア―は「三大運営商」、中国移動、中国電信、中国聯通の独占だ。1994年、国家郵電部に、移動通信局が設立され、2000年、通信事業を、移動、電信、聯通の3社の基となる旧会社に分轄した。2008年に再編され、それぞれに固定電話、移動電話、インターネット接続業務を担当させる。ただし固定電話は、電信と聯通の2社に振り分けた。中国移動は、名前の通りモバイルの中心とされた。

中国移動は、北京オリンピックの2008年から、3Gを展開する。2013年12月、4G免許を交付されると、ただちに16都市での商用サービスを開始した。顧客の反応は“熱烈歓迎”だった。これに力を得た中国移動は、商業用途の4Gを「和」と名付け、“移動改変生活”の実現を提唱する。2014年には、電信、聯通と共同で、通信設備会社を設立し、4Gの普及を進めていった。同時に、地域会社との資本関係の整理、民間ハイテク企業との提携を行い、リーディングカンパニーとして、業界をけん引した。その結果、中国中央国有企業ランキングは、移動5位、電信16位、聯通27位と、競合しつつも揃って繁栄している。

華為(ファーウエイ)

これら三大運営商を設備で支えたのは、話題の華為(ファーウエイ)である。華為は、創業者・任正非が1987年、5人の仲間と深圳市でを創業した。当初は電話交換機の輸入商だったが、自主開発に手を染め、苦闘を繰り返した末に成功を収める。中国で国産デジタル交換機の開発に成功したのは、わずか4社だけだった。その後、総合通信機器メーカーとして生き残ったのは、華為と中興通訊(ZTE)の2社だけである。激しい競争を勝ち抜き、海外進出も果たす。

2010年には、米フォーチューン誌の世界500強ランキングに初登場、この時点でシーメンス、アルカテル・ルーセント(現ノキア)を抜き、エリクソンに次ぐ、世界第2位の通信機器メーカーとなっていた。

2010年には、3Gスマホに進出、小米とは違う自主開発路線でシェアを伸ばしていく。現在、サムスン、アップルと世界で首位争いをしているのは、承知の通りである。

5Gから通信網の物理的合一へ

中央国有企業を三分割して、うまく競わせることにより、通信環境の整備は急速に進んだ。
設備の供給は、華為が引き受けた。スマホの普及には小米が役割を果たした。中国の電信政策は、非常にうまく機能したといってよい。そして今、次の目標を見据えている。

2019年6月、中国政府は第四キャリア―として「中国広電」に5G免許を与えた。同社は2014年設立の新しい国有企業だ。その業務内容は、全国規模のケーブルテレビ網業務と“三網融合”業務である。

三網融合とは、電信網、計算機網、有線テレビ網の“物理的合一”を指す。中国は、より上位の通信網構築を目指し、中国広電は、その基点となる。ただし“市場主体”で行うという。さすがに未来のイノベーションまで見通しているわけではない。しかし司令塔は設置した。今後の展開に注目したい。

「いいね!」して
最新情報をチェック

中国Webマーケティングラボを

中国ビジネスラボの更新通知を受取る

更新情報や新着記事を1週間に1通お届けします。
下記のフォームに入力してください。
China market for everyone!

中国向けウェブ・テクノロジーで世界を変える会社 - プラスチャイナ株式会社です。