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アリババ解剖第2回 金融事業と信用スコア

第二回はアリババの金融事業と信用スコアです。その中心は常にアリペイ(支付宝)アプリにあります。アリペイは2003年、通販サイト「淘宝」内の支払いツールとして誕生しました。2004年には淘宝サイトから分離し、独立した決済プラットフォームとなります。以下その後の発展を見ていきます。ポイントは2013年です。

電子決済プラットフォームを確立

アリペイは淘宝から分離した段階で、すでに中国最大の電子決済プラットフォームになっていました。
2005年5月、アリペイを原因とする損害は、全額保証すると告示し、ネット通販利用促進を図ります。
2008年2月、スマホ時代を見据えた、モバイル戦略を発表します。
2010年、アリペイは、電子公益プラットフォームをアップロードします。これにより公共料金支払いや、慈善団体への寄付が可能となりました。
2010年12月、中国銀行(四大国有銀行の4位)と提携し、初めてクレジットカードと連携します。
2011年6月、中国人民銀行(中央銀行)から、「決済業務許可証」の初交付を受けます。

2013年以降、実店舗での決済に、驚くべきスピードで普及していきます。

MMF「余額宝」

アリババは2013年6月、MMF「余額宝」を発売しました。アプリ操作から、1元単位でアリペイ内の余資を運用できます。いつでも解約できる上に、銀行定期預金より高い利率(2.5~4%)でした。当然のように人気は沸騰します。わずか半年後、2014年1月の資金量は2500億元(4兆500万円)、利用者数は4900万人に達しました。

あまりの人気ぶりに何度も預入制限が発動されます。2017年5月、限度額は100万元から25万元に引き下げられます。同年8月には10万元になり、12月には、1日の受け入れ額が2万元に制限されます。それにも関わらず2018年第三四半期には、総額1兆9300万元に達します。ただし同年第一四半期をピークに、今は縮小モードに入っています。

この5年間、余額宝は金融界を席巻し、銀行業務を圧迫しました。

消費者金融商品「花唄」

2014年、アリババは金融子会社、アント・フィナンシャルを設立し、金融事業を統括させます。そして2015年4月、消費者金融商品を「花唄」を発表します。やはりアリペイアプリから、簡単に操作できます。

発表半月後には、天猫、淘宝の出店者150万がダウンロードしました。買い手だけでなく、売り手も手元資金の確保のため利用したのです。消費者も商人も、取り込みました。

貸付限度額は、500元~5万元までと信用によって異なります。利用者は80后48.5%、90后33%と、これらの年代で大部分を占めまています。2018年3月の段階で、ユーザーの月平均借入額は700元、貸出規模は6000億元に及び、これもまた大いに銀行業界を圧迫しました。

信用スコア「芝麻信用」

その一方、ネットバンクも設立しています。2015年6月開業の「網商銀行」です。個人事業主や中小企業向け融資が中心です。目標は全国1000万社と取引きすることです。

現在アリペイアプリの財富管理の項目には、余額宝、花唄、芝麻信用、借唄の4つが並んでいます。

借唄とは、花唄の上級商品で、融資限度額は1000元~30万元です。中小企業主は、網商銀行と合わせて利用することが可能です。その借唄の申請条件は、芝麻信用600点以上となっています。芝麻信用とはなんでしょうか。

2015年1月、中国人民銀行が認可した8つの信用調査機構の1つで、もちろんアリババ系です。アリババにはネット通販の取引履歴、アリペイを通じたその他の支払い履歴、余額宝、花唄の貸借履歴など、膨大な個人データが集まります。それを、信用歴史、行為偏好、履約能力、身分特質、人脈関係の5つの要素に分けて、次のように点数化しています。

350~550 較差、550~600 中等、600~650 良好、650~700 優秀、700~950 極好

600以上の人だけが借唄の融資を受けられるのです。その他さまざまな場面において、保証金の免除などで優遇されます。実際に、日常生活に大きな影響を与えているのです。

社会改革

決済プラットフォーム、余額宝、花唄、芝麻信用、この4つは、その1つ1つが、実に大きなインパクトを与えました。キャッシュレス、新しい資産運用と消費者金融、信用教育の提供などです。いずれも大きな社会現象となりました。

中国の伝統的な大銀行は、個人融資に目を向けてこなかった報いを受けます。2016年以降、アリババなどIT巨頭と提携せざるを得なくなりました。この5年間で、中国の決済と金融はほとんどスマホで済むようになりました。中国社会を改革したのは、間違いなくアリババだったのです。

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