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「併多多」ゼロからEコマース第3位 ユーザー数急増のわけ

たった2年と3か月でEコマース3位の地位を手に入れ、また最近はテンセントから30億ドルという投資も受け、併多多(Pinduoduo)は夢のようなシナリオで淘宝(Taobao)や京東(JD.com)が10数年苦労してやっとやり遂げたことをいとも簡単に成し遂げてしまいました。

もちろんEコマース進出の道のりにおいて、併多多(Pinduoduo)は一方で耳について離れない心地よいCMソングをくり返し流しながら、他方で鼓膜が破れそうな罵りの言葉に耐えてきました。併多多(Pinduoduo)がタイトルにつく番組の再放送の時にはわざわざそのスローガンを隠すほどでした。

それでも、併多多(Pinduoduo)の内心は強靭でした。肩で風を切り、一方で批判に対してはどこ吹く風でした。(原文:狂うままにさせても月は大河を照らし、させたいままにさせても風は山々を吹き抜ける)もうけた金はポケットに入ったわけですから、少しくらい罵られても痛くもないわけです。

電光石火の急成長

2015年10月に設立され、2016年にテンセントの投資を受け、たった2年の間に、有料ユーザー数は3億を超え、取引額は2016年の360億から2017年の1200億に増えました。しかも併多多(Pinduoduo)の成長はいまだにとどまるところを知りません。2018年1月、併多多(Pinduoduo)のGMVは想像の域を超える400億(2017年初旬にはたったの30億)に達しました。この調子で考えると、併多多(Pinduoduo)の年間GMVは5000億を突破する可能性があります。
※GMV(Gross Merchandise Volume)とは、一定期間内の商品取引総額のこと。

5000億GMVは何を意味するのでしょうか?これは天猫(Tmall.com)2017年GMV(21000億)の4分の1、京東(JD.com)2017年GMV(13000億)の約半分です。京東(JD.com)は、6年Eコマースをやって、GMVがやっと100億の大台を超えたばかりなのに、この100億の垣根を小兵の併多多(Pinduoduo)は早々と到達してしまいました。

この快進撃の背後で、私たちが考えるべき問題は、この莫大なGMVは当然莫大なユーザーグループによって支えられるはずですが、併多多(Pinduoduo)のユーザーはなぜそれほどのスピードで増えたのでしょうか?

「0元(ただ)買い」からスタート

併多多(Pinduoduo)がEコマースを始めたとき、「玄人」からすれば非常に「LOW」でやってられない共同購入モデルを始めました。「0元買い」です。今でさえ思われるかもしれません。0元買いって本当にもうかるの?お答えしましょう。

もうかります!しかも相当もうかります!

「0元買い」というのは、0元で本当に物が手に入り、しかも郵送してくれます。でも、その過程は非常に手間がかかります。

例えば、あなたがモーメンツ上で値引きの手伝いをするよう声をかけるとして、最初のうちは、友達も喜んで助けに来てくれるので、注文があるたびに10数元ほど値引きされるのを見ていると、併多多(Pinduoduo)はなんて馬鹿なことをしているんだろうと、心の中でほくそ笑むかもしれません。でも、値引きも後になればなるほど、差額は小さくなっていき、最後にはその差はたったの0.1元か0.01元ほどでしょう。

とはいえ、その過程がどれだけ長くかかろうと、最後には併多多(Pinduoduo)が無料で且つわざわざパッケージした商品を郵送するわけであり、明らかにそれは赤字の売買じゃないでしょうか。ところが、併多多(Pinduoduo)はそうは思わないわけです。

「0元買い」の本質は、ユーザーの注意を引くことにあり、将来の流量の変化に備えて保護用のお堀を掘っておくことにあります。例えば、春節期間に誰でも遊んだことのある支付宝(Alipay)の「五福集め」イベントも同じ原理ですが、そのゲームに参加してもたった数元すらももらえないかもしれないと分かっているのに、結局は楽しんで遊んでしまうことが多いのではないでしょうか。

具体的に、併多多(Pinduoduo)の「0元買い」のからくりを分析してみましょう。

1点500元の商品は、理論上は1000人以上が購入する必要があります。200元ぐらいの商品であれば300人以上が購入する必要があります。つまり、あなたの人脈が多ければ多いほど、商品を買い取るチャンスは大きくなります。

でも、お気づきでしょうか。「0元買い」の商品はいったいどれだけの価値があるでしょうか?

例えば、併多多(Pinduoduo)で70元と表示されているイヤリングが、淘宝(Taobao)でみると全く同じ商品なのにはるかに安いことに気づかれることでしょう。もし共同購入に成功したとすると、併多多(Pinduoduo)はたった10元のコストで数百以上のユーザーを得たことになり、たとえ共同購入に失敗したとしても、数十のユーザーを得たことになります。「小コストで、大流量を得る」という併多多(Pinduoduo)の「0元買い」のビジネスロジックはこんなに簡単なのです。

併多多(Pinduoduo)が成功したポイントは?

併多多(Pinduoduo)の「成功」に対しては、以下のように結論できるでしょう。

潜在的微信(WeChat)顧客の掘り起こし

ここでの潜在的微信(WeChat)顧客とは、一つ目には、四五線都市(小都市)の消費市場、及び二つ目には、以前にEコマースと絶縁した消費者グループです。ほとんどの年輩のユーザーは、淘宝(Taobao)を使いこなせないため、併多多(Pinduoduo)は自社アプリ使用の敷居を低くし、買い物かごも、サーチもなくしたのです。簡単な操作、圧倒的に安い商品のおかげで、大量の年輩ユーザーが喜んでネット購入に加わり、こうして併多多(Pinduoduo)は微信(WeChat)ユーザーを捉えたのです。

ソーシャルネットワークによる流量の変化を実現

この点は併多多(Pinduoduo)がビジネスモデルにおいて行った最大の革新と言えるでしょう。これまでのソーシャルEコマースでは、主な方法はKOL(ブロガーなど)を見つけることで、信用と導流の問題を解決していましたが、流量の変化の問題は解決していませんでした。併多多(Pinduoduo)は共同購入の仕方で、ソーシャルネットワークを通して流量の核分裂と変化を実現したわけであり、ここにその核心となる価値があるわけです。

全く新しいEコマースの論理

併多多(Pinduoduo)の創始者である黄峥氏が現在のEコマースの論理に対する見解を話してくれました。

黄氏は、併多多(Pinduoduo)が人を中心とするEコマースという新たな論理を打ち立てたと指摘しています。「共同購入によって人を理解し、人を通して商品を推薦し、最後にはロボットを通して商品を推薦するのです」と述べています。

つまり、併多多(Pinduoduo)は単純に物を売っているのではなく、物と人とをマッチングさせているのであり、ある人は品質重視で高価格の商品が適しており、ある人は質よりも低価格の商品の方が適しているのです。

併多多(Pinduoduo)は、まずユーザーが何を必要としているかを考慮し、それから購買習慣を分析することで、そのユーザーのニーズを確認し、適切な人が適切な場面で適切な物を購入するようにさせるのです。

これは、これまでのEコマースがこれまでずっと商品を中心にしてコラムを作ってきたやり方とは全く異なります。

とにかく併多多(Pinduoduo)は、ソーシャルEコマースの成長傾向に適合させた結果、微商(マイクロネット)よりも戦略的にさらに品格を増し、ユーザーのニーズを完璧に取り込んだ点で、併多多(Pinduoduo)の大躍進は、それを証明できる論理があります。

併多多(Pinduoduo)は、ボスたちの注目を見事に集めた!

ここに至って、ボスにあいさつをするまでもなく、見る間に成長した併多多(Pinduoduo)は見事にアリババと京東(JD.com)の注目を集めることに成功しました。

Eコマースのボスとして、アリババは当然この見知らぬ新人が自分たちの縄張りで好き勝手するのを「放任」するわけにはいきません。最近アリババは淘宝(Taobao)の格安版アプリを立ち上げ、併多多(Pinduoduo)に対する正式な戦線布告をしました。これと同時に、京東(JD.com)も2018年3月に格安共同購入プラットフォームの京東(JD.com)併購を立ち上げると共に、1%の低価格手数料で販売店が加入できるようにしました。相対的に言って、アリババがその規模をキープする限り、併多多(Pinduoduo)がアリババに対して脅威となることは実質的にありえません。

よって、この時に一番慌てるのは、京東(JD.com)です。京東(JD.com)が3月に発表した2017年度財務報告によれば、2017年度における京東(JD.com)の純利益は同時期比較で40.3%の増加でした。

ただ、今季の財務報告の中では、京東(JD.com)はGMVの増加率を公開しておらず、財務報告発表当日には、京東(JD.com)は株価を7%も大幅に下げ、終値は5.22%の下げ率で、市場価値は約218億元も吹き飛んでしまいました。

併多多(Pinduoduo)のユーザーがハイスピードで増加し続けるのとは対照的に、2017年度末までで、京東(JD.com)の年度アクティブユーザー数は2.925億で、同期比で29.1%の増加でしたが、昨年の同時期の46%という増加スピードと比べてはるかに低いものでした。その比率からすると、同期比較で16.9%もスローダウンしたのです。

もともと天猫(Tmall.com)との正面対決で体力を消耗していたため、併多多(Pinduoduo)が突然後ろから追い越してくるのを防ぐことができなかったのです。もちろん、併多多(Pinduoduo)がこれからどれだけ好調を維持できるのか、それもまだ未知数です。

今最大の問題点は、現在併多多(Pinduoduo)の品質が完全にコントロールされているとはとても言えないことです。

データによれば、現在消費者による併多多(Pinduoduo)へのクレーム率は13%という驚くべき数字に達しており、この数値はその昔淘宝(Taobao)が直面した8.6%というピーク値すらも超えるものです。もしかすると、誰の手を借りることもなく、併多多(Pinduoduo)は内部から崩壊してしまうかもしれません。

併多多(Pinduoduo)が説明しているように、「現在併多多(Pinduoduo)プラットフォームを全面的に整理しており、加入販売店の製品品質の監視管理を強化中で、最終的に併多多(Pinduoduo)がどれほど成長できるかは、消費者の満足度次第」なのです。

ただ、今後併多多(Pinduoduo)がどれだけ成長できるかに関わらず、上記内容は併多多(Pinduoduo)の有する以下の観点について私たちに教えてくれています。「ユーザーを第一にすることが、ユーザー数成長の先決条件である」と。

[原文 : http://www.opp2.com/79810.html]

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