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微信(WeChat)ミニプログラムはスマホアプリに取って代われるか?現実と可能性

微信(WeChat)ミニプログラム(以下、ミニプログラム)が世に出てしばらく時間が経ちました。「超簡単!すぐに使える!」というキャッチコピーのもと、ミニプログラムは多くのユーザーの感心を買い、スマホ用アプリに取って代わる可能性があるという見方は、ユーザーに新鮮な驚きを与えました。

しかし、実際にミニプログラムのサービスが始まると、多くのユーザーはミニプログラムを使うのをためらいました。ミニプログラムに将来はあるのだろうか? ミニプログラムは本当にアプリに取って代わり、将来の主流になるのだろうか?

ミニプログラムは、始まったばかりのサービスで、プログラムの数も日を追って増えています。とはいえ、ほとんどの人がミニプログラムの存在さえ知らず、これまで通りアプリを使っているのが現状です。今のところ、ユーザーにとってのミニプログラムは、ちょっと使ってみる程度の存在であり、一般のアプリのような役割は担っていません。どうしてミニプログラムは、今のところ、アプリに取って代わるのが難しいのでしょうか。

微信(WeChat)とスマホのユーザー数

微信(WeChat)ユーザーについて見ると、毎月微信(WeChat)を頻繁に使っている人は8億人を越えていて、微信(WeChat)に1日にアクセスするアカウント数は5.7億です。

スマホユーザーについて見ると、約20億台のスマホが使われています。

ミニプログラムは微信(WeChat)の中で動作する

技術的な観点から見ると、ミニプログラムの使い勝手はアプリには到底及びません。

ミニプログラムは、微信(WeChat)サーバーのもとで動作しています。ミニプログラムは、ほぼHTMLコードで構成されています。微信(WeChat)サーバーが提供するAPI(Application Programming Interface:プログラム開発者が利用できるコード)を使用できるので、ほかのWebアプリよりもできることが多く、アプリ的な機能も実現できます。

アプリは、アンドロイドとiOSという2つのOS向けに作られたプログラムであり、ミニプログラムは微信(WeChat)用に作られたプログラムです。微信(WeChat)もほかのアプリと同様に、各OS向けに作られています。ただし、微信(WeChat)はモバイルネットワークの中で最大のデータ通信量を誇っています。

ミニプログラムは、アプリのひとつである微信(WeChat)の中で動作するプログラムです。このため、ミニプログラムが、一般のアプリのように動作することは技術的に不可能です。なぜなら、ミニプログラムに、一般のアプリと同様の機能を持たせるには、より多くのプログラミング工程が必要になるため、CPU、内蔵メモリ、消費電力の効率が悪くなってしまいます。

ミニプログラムの仕組み

アプリはたいていの機能を実現できる

ネイティヴアプリ(OS用に作られたプログラム)は、OSのすべての機能を利用できるため、独自性やユーザーとの対話などが可能になります。ネットにつながっていなくても、できることはミニプログラムよりたくさんあります。このため、ミニプログラムで、高度なゲームや多機能画像ソフト、地図サービスなどを提供することはできません。

ミニプログラムは、その名前の通り、使用頻度が低く、機能が比較的少ないものに向いています。だからこそ、実現できる機能やサービスが“ミニプログラム”なのです。

ミニプログラムが提供できる機能はアプリに及ばない

ミニプログラムは、微信(WeChat)サーバーで動作しています。これがミニプログラムの最も大きな特徴であり、これが一般のアプリにはない利点です。なぜなら、ミニプログラムは一般のアプリのようにインストールする必要がないからです。ミニプログラムは、微信(WeChat)サーバーと通信するだけで使えるのです。しかし、同時にミニプログラムは微信(WeChat)サーバーに制限されます。一般のアプリが簡単にできることを、ミニプログラムは実現できません。

実際のところ微信(WeChat)は、ミニプログラムを一般のアプリに近づける努力をしています。たとえば、アンドロイド上でサービスを切り換える機能などです。とはいえ、ミニプログラムは、多くの点で一般のアプリに劣っています。ミニプログラムには、一般のアプリと比較すると欠けているものがたくさんあります。

よく観察すれば、ミニプログラムができることは、一般のアプリが簡単にできることばかりです。ミニプログラムが一般のアプリに近づくためには、微信(WeChat)が微信(WeChat)サーバーをもっと強力にするしかありません。

たとえば、“叮当快药”(薬を家にすぐ届けてくれるサービス)のアプリ画面とミニプログラムの画面を見比べてみましょう。


“叮当快药”のアプリ画面


“叮当快药”のミニプログラム画面

アプリに比べてミニプログラムには弱点が多いことがよくわかります。ミニプログラムにはプッシュ通知さえありません。

このほか、ミニプログラムにはAPIの制限もあります。ミニプログラムは、プログラムとシステムが連携するのが難しいのです。たとえば、ランチャーなどのアプリは、音量、通知が届いた際の動作、ネットの接続方法などを変更できます。しかし、ミニプログラムには、このような一般的な機能を実現する術がありません。また、アプリはいつでもどこでもプッシュ通知を送れますが、ミニプログラムはバックグラウンド処理などの問題により、プッシュ通知を行えません。

しかも、ミニプログラムのHTMLコードはスマホの中にあるわけではないので、利用できるAPIにも制限があります。このため、ミニプログラムにはプログラム規模の制限があり、高度な3Dゲームなど複雑な機能を実現する手立てはありません。

ミニプログラムは、すでに述べたように使用頻度が低く、機能が少ないものに向いています。たとえば交通違反検索サービスや交通違反罰金支払いサービスなどです。微信(WeChat)公式アカウントは、どうしてミニプログラムのサービスは、ゲームやリアルタイム通信には向いていないとしているのでしょうか。これには技術的枠組みの問題だけではなく、システム全体に関する多くの考慮も含まれています。

ミニプログラムの可能性

私たちはどんな時にミニプログラムを使うのでしょうか?家にいる時でしょうか、仕事をしている時でしょうか、歩いている時でしょうか、お店で食事をしている時でしょうか。どんな時であれ、絶対にミニプログラムを使えない場合があります。それはスマホがネットにつながっていない時です。

ミニプログラムは、Webアプリなので大きな利点はHTMLコードがスマホ本体に入っていなくてもサービスを利用できることです。したがって、アプリをインストールする必要はなく、メモリも節約できます。

しかし、利点は弱点にもなります。Webアプリは、ネットワークにつながっていなければなんの役にも立ちません。キャッシュを利用した画面切り換えなどを除けば、なにもできないのです。ミニプログラムはWebアプリであることによって、ネットワークが必須なのです。

では、ミニプログラムはこれらの欠点をかかえたまま、永遠に一般のアプリに対抗できないのでしょうか。いいえ、そうとは限りません。ミニプログラムは、多機能ではないもののビジネスチャンスと潜在力に満ちています。

まず言えることは、ミニプログラムの“使い終わればいなくなる”というコンセプトは、消費時代を生きるユーザーのニーズに合致していることです。アプリは無限にありますが、スマホの内蔵メモリは有限です。内蔵メモリにすべてのアプリを入れることはできません。ユーザーは、メモリが少なくなってくると「あれをアンインストールして、これをインストールする」というやっかいなことをしなければなりません。ミニプログラムを使うには、このような面倒な作業は必要ありません。ユーザーは使いたいものをすぐに使えて、メモリ容量を心配する必要もありません。ユーザーは、このような体験は、いまだかつてしたことがないはずです。

ミニプログラムは、すぐに探せて即使用できます。公式アカウントが送ってくる迷惑なプッシュ通知につきあう必要もありません。アプリのようにダウンロード、インストールという手間は不用です。使い勝手は、直通列車のようにシンプルです。

さらに、ミニプログラムはアプリに補助的な機能を提供することもできます。ちょっとした機能を提供するためだけに大がかりな開発を行うのは無駄です。ミニプログラムを利用すれば、すぐに補助機能を提供でき、開発資金も大してかかりません。

最後に、ミニプログラムによるマーケティング戦略について見ておきましょう。ミニプログラムはテンプレートを利用して通知を行えます。サードパーティーのツールを利用すれば、プッシュ通知も行えるのです。微信(WeChat)は膨大なユーザーを誇っています。したがって、低いコストで広範なユーザーに情報を提供することも可能です。

これに比べると、アプリは微信(WeChat)以外からユーザーを集める必要があり、開発経費や営業経費も高くつくので、成功する難易度は高いのです。

以上見てきたように、短期間のうちに、ミニプログラムがアプリに取って代わることはないでしょう。しかし、ミニプログラムが増えてくればくるほど、公式アカウントとミニプログラムの組み合わせが利益をもたらすチャンスは多くなってくるはずです。

ミニプログラムは、今後どのような進化をしていくのでしょうか。今後に期待しましょう。

[原文 : http://www.opp2.com/74792.html]

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