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『捜狗(Sogou)四四半期純利益前年同期比80%アップ、検索+IMEの「ニュー」ストーリーはマネーに化けるのか?』

十数年来の「定番」である2製品は、AI時代において捜狗を一流企業に生まれ変わらせることができるのでしょうか?

捜狗(Sogou)は最近、アメリカでの上場後初めての財務報告を発表しました。捜狗の2017年の総営業収入は9.084憶ドル、前年同期比38%アップで、非米国会計基準(Non-GAAP)では、純利益が1.059憶ドル、2016年より54%アップでした。2017年第四四半期の総営業収入は2.778憶ドル、前年同期比は62%アップで、非米国会計基準では、純利益が3790万ドル、前年同期比80%アップでした。

一見、悪くない成長データですが、1月29日の財務報告発表当日、捜狗の株価は音を立てて9.42%も下落しました。捜狗の資本市場に向けたAIストーリーが認知されるには、まだ努力と時間が必要だというよりほかありません。

捜狗と百度は検索エンジンのカテゴリーですでに何年も渡り合い、さらに神馬捜索と360捜索が加わり、長年にわたりお馴染みの顔触れがカテゴリー全体の市場を支配しています。「毎年百度から(市場)シェアを2-3ポイント奪っており、この調子を維持できたらと考えています。」と、王小川氏は述べています。

捜狗のやりづらさもこの点にあり、検索エンジンカテゴリーでは常に百度の後塵を拝しているのです。上場前、王小川氏はIMEによりブラウザを普及させ、ブラウザにより検索を普及させるという「三段式ロケット」戦略を示しましたが、この時捜狐(SOHU)も投資家もいずれも捜狗のコアプロダクトは単独の検索エンジンだと考えていました。2017年末の上場後、IMEを発表し、検索と共に重要視するようになりました。王小川はこれを「双発エンジン」戦略--検索をQ&Aへ、IMEを対話へアップグレード--と呼んでいます。

IMEは「古い」製品で、基本属性がツールなので、膨大な数のユーザーを擁する場合が多いものの、想像力に富んだ製品とは見なされていません。しかし未来のIMEはタイピングツールにとどまらず、情報取得やトラフィック分配などの機能も持つだろうと、捜狗は考えています。たとえば友人とチャットをしている時、IMEは返答のテンプレートを提示してくれたり、さらにはチャット中に文脈から判断してサービスを勧め、アプリによるトラフィック仲介のサポートまで行ってくれたりするでしょう。

「IMEのアップグレードは、今年捜狗が業界で一流の、代表的な企業になるためのカギです。IME自体は検索より(ユーザーに)近いポータルを構成しており、モバイルIMEのDAU(デイリーアクティブユーザー)は3.3億で、いまだにスピーディーな上昇を続けており、このパワーはまだまだ解き放たれていません。」王小川氏はこう延べました。これから捜狗はIMEとサービスを結びつけることに重点を置くでしょう。

インターネット巨大企業と同じように、捜狗もハードウェア開発を始めましたが、その背後にある目的は検索サービスです。数日前、捜狗提携パートナー大会で、「捜狗旅行翻訳宝」「捜狗速記翻訳筆」という2種類のハードウェアを発表しました。

捜狗がハードウェア開発をする目的は、ハードウェアそのものの販売ではありません。またGoogle・Microsoft・BAT(百度・阿里巴巴・騰訊)など大企業のようにAIハードウェアを通じて自らのプラットフォーム技術やクラウドサービスを送り出そうとしているのでもありません。捜狗の考え方はハードウェアを通じてバックエンドの「サービス」を販売することなのです。「我々は最終的にコンテンツサービスを提供します。たとえば医療に関する疑問は携帯電話や(AI)スピーカーなどのデバイス上で解決できるというように、検索はQ&Aに変わるのです。」

捜狗提供のデータによれば、現在捜狗で検索されたユーザーの疑問の5%はダイレクトアンサーが可能です。たとえば「白日依山尽(白日山に依りて尽き)の下の句」と入力すれば「黄河入海流(黄河海に入りて流る)」と検索結果のトップにダイレクトに示されます。これは今までにないリンクの提供方式なのです。

今年末には、王小川の検索エンジンは疑問の10%にダイレクトアンサー可能になるでしょう。

ダイレクトアンサーの直感的価値はまさに商用化されつつあります。これまで長年にわたり、捜狗は技術志向で商用化を急がないという印象を市場に与えていました。今年、王小川はついにビジネス、特に捜狗のCMマーケティングの現金化について語り出しました。

「我々はQ&Aテクノロジーと医療・法律などのサービスとを結び付け、ユーザーにより優れた答えを提供します。将来これらの答えの中に商業的価値を生み出すチャンスがあるでしょう。」と彼は述べました。

アナリスト電話会議において、捜狗CTO楊洪涛氏はこう述べています。「人工知能はネットユーザーの検索意図に対する我々の理解能力をますます高め、同時に、広告の描写・素材・ランディングページなどを含め我々のクライアントがユーザーの検索意図によりマッチする広告を制作できるようサポートし、すでに我々の広告のCTR(クリック率)を絶えず高めています。」

■36氪は他のメディアと共同で捜狗CEOの王小川氏にインタビューを行ったところ、捜狗上場後の三段式ロケットから双発エンジンへの戦略転換、及び2018年にこの企業が直面するであろう競争局面や戦略について、以下のような注目すべき点がありました(36氪編集部により若干要約しています)。

Q: 捜狗の昨年の業績をあなたはどう評価しますか?今年の企業の最重要な戦略的任務は何ですか?

王小川: 昨年1年間は80点といったところです。我々は4ヶ月で株式の新規公開を完了し、非常にスピーディーでした。同時に検索においても、医療・Q&A・翻訳の分野においても、AIを利用して大きな進展がありましたので、昨年の業績には比較的満足しています。残りの20点は今年やる事に取ってあるのです。それはつまりIME自身のビッグデータ化とサービス化です。上場後、捜狗は今年に入って内部組織構造を調整し、戦略を再整理し、以前力がなくてできなかった事を始動させました。

Q: 上場後に戦略を再整理する際のコアロジックはどのようなものですか?内部組織構造にはどのように変化しましたか?

王小川:まず、IME戦略を高く引き上げ続けることです。以前はIMEは検索の土台、つまりIMEは検索に寄与するものでしたが、今年IMEは直に価値を示し、自ら前面へ出るようになります。次に、AIの面では、同時通訳のシーンを含め翻訳技術の実用化で先頭に立ちたいと思っています。戦略的には、自然言語処理に重点を置き、Q&Aや検索のランディングなどはすでにやりましたが、いまだアップグレード中です。今年はライブクイズでも、我々が業界最高レベルであることを見せます。

組織管理レベルの変化は、内部で技術の開放を実現し、検索のQ&A能力・マーケティングの実務能力・ビッグデータチームの能力を、あらゆる部門でシェアできるようにします。たとえば、もともとIMEはその部門だけでやっており、このように他のチームとその能力を相互作用させることはありませんでした。それぞれの製品はデータだけでなく、データからプログラムインターフェースまで、より深く結びつくことが必要です。

Q: 今年AI技術のシーン化で最も有望な着地点はどのようなものでしょう?

王小川: 最大のトレンドは2017年から始まっています。それはオンラインとオフラインの一体化OMO(Online Merge Offline)です。オフラインのものはデジタル化されて誰もが接する端末になり、オンラインではデータを集中処理しクラウドで経営判断します。

捜狗についていえば、我々の戦略はユーザーとの接点への新たな入口の構築です。パソコンからモバイルインターネット時代に至るまで、IMEと検索はユーザーに密着してきましたが、将来的にはより身近でより実体化された入口を見つける必要があります。AIスピーカー(市場)の争奪戦は非常に熾烈です。我々が見つけた入口ですが、以前切り口として糖猫(teemo)チャイルドウォッチを作って、昨年は100万台売り上げ、今度はガイドにもなりうる翻訳機(捜狗旅行翻訳宝)を作りました。

捜狗のコアロジックは、医療・法律・旅行業界などでパーソナルアシスタントになることです。ページのリンクを提供するだけでなく、その人の疑問に答え、真のクローズループなサービスを提供し、また一方で、ユーザーにより密着し、バーティカルな場面でユーザーの問題をクローズドループ方式で解決します。

Q: あなたはアナリスト会議で、2017年末、競争相手が続々と携帯電話メーカーチャネルへの取り組みを強化したので、今年はトラフィック購入のコストも上昇していると指摘しましたが、どの程度の上昇でしょうか?また、今年はフリートラフィックからの比率が上がり、騰訊や外部トラフィックからの比率が下がると捜狗は予測していますが、今年は主に何によってオーガニックトラフィックの増加をはかるのでしょうか?

王小川: 今年はトラフィックコストが昨年に比べ50%以上上昇しています。携帯電話メーカーとの提携(プリインストールソフト形式)は非常に重要で、携帯電話メーカーは現在事実上入口をコントロールしているので、我々にしろ他の検索サービス企業にしろ、彼らと提携する必要があります。捜狗は今年この点を強化します。その他、トラフィックソースの比率については、我々のオーガニックトラフィックの増加は検索の進展とIMEトラフィックの増加により導かれるでしょう。これが唯一の突破口です。

周毅: 企業のオーガニックトラフィックの比率は約22%、38%のトラフィックは騰訊チャネルから、その他のトラフィックも、40%がスマートフォンメーカーからです。この先、1-2年の内に、企業のオーガニックトラフィックが22%から30%近くにまで増加し、騰訊チャネルとその他有料チャネルからのトラフィックの比率は下がる傾向にあるでしょう。ですから、我々のトラフィック増加の原動力はやはりオーガニックトラフィックの増加によるものなのです。

Q: 捜狗はなぜ機械翻訳へ多大なリソースを投入するのですか?

王小川: AIがここ数年で実質的に進展させた分野が機械翻訳なのです。学術的に見れば、機械翻訳はすでに仕事に臨めるようになっていますが、実用の面では、エンジニアリングとシーン適応に関する問題がまだ若干あり、これによりリソース投入が多くなっています。我々は捜狗旅行翻訳宝をリリースしたばかりですが、この後も速記翻訳筆や同時通訳のデバイスなども控えています。

我々は重要なアップグレードを行ったばかりです。捜狗ユニバーサル検索では(原文が)英語・韓国語・日本語のコンテンツを備え、キーワードを入力すれば、我々が適切と見なしたタイミングで国際的に権威のあるコンテンツが提供されるようになったのです。たとえば、英語の医療情報、日本語のショッピングや二次元文化、韓国のスターなどをいずれも探し当てられるのです。

ひとたび翻訳技術が非常に実用的になれば、電気の発明同様、地球文明に多大な影響を与えるでしょう。なぜなら言葉の壁は民族文化であり、ひいては世界で共に運命共同体を建設する際の障害になるからです。中国語は全世界の情報の10%に過ぎませんが、我々は全世界で情報を10倍取得するチャンスを手に入れたのです。これはとてもエキサイティングなことです。

Q: 捜狗では情報フローチームを組織したそうですが、業務の進展はいかがですか?

王小川: 情報フローについては、我々は今年捜狗ブラウザ・検索アプリ・IMEを統一的に配置し、検索を補完する情報フローにアクセスできる能力を持ちます。我々にはアドバンテージが2つあります。1つ目はユーザーが使用する際に情報フローに極めて正確な描写ができるビッグデータを自身で蓄積しており、長期蓄積の後に初めてその人が必要とするものを知るのではないということです。2つ目は我々自身が検索サービス会社で、10万以上の顧客セグメントがあり、彼らの広告システムや代理店システムは非常に成熟しているということです。ですから情報フロー作成時、我々の販売システムもこういうマッチング作業がやりやすいのです。

[原文]

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