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中国で大人気「旅かえる」から考える日本と中国のねじれ現象

自由気ままに旅する日本のカエルを育てるゲーム「旅かえる」が、中国で大流行しており、人気急上昇ぶりは、凄まじいものがあります。また、中国で「旅かえる」の人気が爆発する一方で、中国産ゲームが日本のランキングでトップを獲得しました。

日本のスマホゲーム「旅かえる」

日本のスマホゲーム「旅かえる」の中国での人気急上昇ぶりは凄まじく、中国のネットメディアや微博などのSNSでは、まさにあっという間にカエルの画像でいっぱいになりました。アップル社の中国版アップストアの無料ゲームランキングで2週間以上1位を占めています。

「旅かえる」のゲーム概要

ゲームは日本企業ヒットポイントが開発したもので、日本語版のみですが操作は簡単で、小屋に住むかわいい緑色の小さなカエルを育てるゲームです。カエルは小屋の中で食事したり、文章を書いたり、鉛筆を削ったり、ときには本を読みながらうとうとすることもあります。

また、カエルは読書しながら寝てしまうこともあり、飼い主は庭先でゲーム内の主要通貨、クローバーを集めることができ、3時間ごとに庭をスワイプすれば、クローバー20本を集められますが、クローバーが育つのが待てなければ、実際のお金で買うことができます。しかし、それ以外はほとんどカエルをコントロールできません。それがなにより、このゲームの面白いところで、カエルはしょっちゅう家を出て、日本各地を自由気ままに旅して回るのです。

カエルがいつ旅に出るか、いつ戻ってくるか、何を持って帰ってくるのか、まったく分かりません。出かけてから数時間で帰宅するときもあれば、4日間も戻ってこないこともあり、絵葉書やクローバー、おみやげを送ってくれることもあれば、飼い主に全く何もしてくれないこともあります。

飼い主はまったく、カエルをコントロールできず、交流もできません。飼い主にできるのは、放浪するカエルに、食事や道具、お守りを用意することで、カエルがいついなくなるか、いつ帰ってくるのか、何を持ち帰ってくるのか、プレイヤーにはまったく予想できない のです。

日本ではそれほど人気でもない「旅かえる」

世界におけるダウンロード数は1,000万回を突破していますが、実は日本では爆発的な人気にはなっておらず、ダウンロード数は全体の2%に過ぎません。95%は中国市場でダウンロードされているのです。

中国では「旅行青蛙(リュイシンチンワー)」の名前で親しまれており、ネット上では有志がアプリの日本語表示を中国語に翻訳し、攻略法を配信しています。いったん支度をしてあげれば、カエルは勝手に旅に出て、スマホの通知で帰ってきたことを教えてもらえるなど、スローテンポなゲームの仕組みが、残業や休日出勤が多い中国の若者でも楽しめるため受けているようで、ネット上では「自分も旅行に行きたいけどなかなか行けない」と、自由に旅するカエルをうらやむ声もあとのこと。

中国では子どもが都市に出て地方に取り残された高齢世帯「空巣老人(コンチャオラオレン)」が社会問題化しており、なかには「“帰ってきなさい”とうちの親が言う気持ちがわかるようになった」と、ゲームで親子の絆を認識した人も少なくないとのことです。

このようなことから、中国共産党機関紙「人民日報」は、このゲームの人気を社会主義の「核心的価値観」を奨励する機会として利用し、「人民日報」自ら「旅するカエルは、実家を出た全員と同じだ」とウェイボーに投稿したといいます。つまり、もっと両親に会いに行くよう、若者に促しているのだそうです。

日中でゲーム人気のねじれ

いま、中国で日本製ゲーム「旅かえる」が人気ですが、逆に日本でも中国製のゲームアプリが非常に人気を集めているのです。「荒野行動」は以前、日本向けのGoogleプレイストアにおいて無料ゲームランキングで首位を獲得しており、日本でYoutubeを視聴すると、このゲームの広告を見かけるといいます。

また、「KOF98UMOL」や、昨年2月にサービス開始の「陰陽師(阴阳师)」「崩壊3rd」なども人気でした。このように中国発のゲームが日本で人気であったところに、日本ではさほど人気でないゲームが中国で爆発人気となるという「ねじれ」が生じているのです。中国共産党が「旅かえる」を歓迎しているようですから、このようなゲームの交流も文化交流の1つと言えるのではないでしょうか。

中国では“仏系ゲーム”と称されている“放置系ゲーム”の「旅かえる」が中国で起こしている社会現象は、今後の中国市場開拓の大きなヒントになるでしょうか、日本を始めとする外国のゲーム開発者たちはどのように診ているのでしょうか。

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