インバウンド

インバウンド対策と受動喫煙対策

2020東京オリンピックに向けて屋内全面禁煙などを定める受動喫煙対策強化改正法案(通称:原則禁煙法案)を巡り、政府と自民党の規制推進派と反対派で折り合いがつかず、先延ばしにされていました。そして今、再び国会で議論されており、この法案が成立すれば、今後のインバウンド対策にも大きく影響してきます。

加熱式無煙タバコが人気

近年は喫煙者の肩身が狭くなる一方です。肩身の狭い思いをしながらもタバコが止められない人も多い中(筆者もその1人)、加熱式タバコが発売されており、全面禁煙となっていた喫茶店や飲食店などでも、加熱式タバコなら許可されるところも増えはじめました。

加熱式タバコは火を使わないので灰も出ず、出る煙はベイパーと呼ばれる水蒸気で、ガンの原因と言われるタールなどの有害物質もほとんど発生せず、臭いもあまり無い為、人気が過熱しています。主なものとしては以下のとおりです。

メーカー名 商品名 価格
フィリップ・モリス(PMJ) iCOSキット 9,980円
「マールボロ・ヒートスティック」各種 460円
日本たばこ産業(JT) PloomTECHスターターキット 4,000円
「メビウス・プルーム・テック」各種 460円
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT) Gloスターターキット 8,000円
「ケント・ネオスティック」各種 420円

加熱式たばこも原則禁煙か

受動喫煙を防止するための健康増進法の改正で、厚生労働省は昨年12月20日、近年急速に普及する「加熱式たばこ」についても原則禁煙の規制対象とし、分煙体制が整った飲食店でのみ喫煙を認める方針を決め、年明けにも改正案を公表するとしていました。

たばこ各社は「加熱式たばこ」の健康リスクが低いことをセールスポイントにしており、前述の通り禁煙エリアでも加熱式たばこの喫煙を認める店も増えていますが、一方で、一定量の有害物質は含まれていることから医師や禁煙推進派の中には健康への影響を懸念する声があるのも確かです。

法改正では、紙巻きたばこは、飲食ができない「喫煙専用室」を作らなければ吸えないようにする方針で、加熱式たばこは現時点で健康への影響は分かっていないことから、紙巻きたばこと比べると規制は緩いものになる見通しです。将来、健康影響について科学的なデータが集まった時点で、改めて規制を検討するとしています。

国会における推進状況

当初「たばこ議員連盟」は、飲食店経営者が禁煙、分煙、喫煙を選択できるようにするなどといった対案を出しており調整は難航していました。そして、1月30日に厚生労働省が新たな受動喫煙の対策案を発表しましたが、従来までの案に比べ、大幅に規制緩和され、自民党の規制推進派からは怒りの声が噴出しています。店舗面積がおよそ32平方メートルの都内のある居酒屋は、今回の緩和案を歓迎しています。(旧案では30平方メートル以上が規制対象、緩和案では150平方メートル以上)

実は緩和案となれば、都内にある居酒屋などの飲食店のおよそ9割は喫煙可能となります。こうした中、自民党の規制推進派が会合を行い、厚労省が例外基準として150平方メートル以下で調整していることについて反発する声が相次ぎました。

今回の案は東京五輪に間に合わせるため内容を緩和し対策をまとめることを優先させた形です。前厚労大臣の塩崎氏は国民ではなく自民党を見ていると苦言を呈しており、攻防はまだ続きそうです。

インバウンドへの影響は

オリンピックを主宰する国際オリンピック委員会(IOC)の「たばこの無いオリンピックを」という要望のもと、近年オリンピック開催都市では禁煙法案が整備されてきましたが、オリンピック対策としてよりも、今のインバウンド対応として見た時に、この禁煙法案はどのような影響をおよぼすでしょうか。

インバウンド主要国における喫煙率と、訪日客における喫煙率・喫煙者数を調べた結果をみると、訪日外国人観光客の4~5人に1人が喫煙者という結果がでています。(調査:2016年10ヶ国)

国籍 訪日客数 喫煙者数 喫煙率
中国(台湾・香港) 1,238万人 280万人 22.6%
韓国 509万人 145万人 28.5%
アメリカ 124万人 22万人 18.1%
タイ 90万人 18万人 19.8%
オーストラリア 45万人 7万人 15.3%
マレーシア 39万人 9万人 23.3%
シンガポール 36万人 7万人 18.4%
フィリピン 35万人 8万人 23.6%
イギリス 29万人 6万人 19.4%
カナダ 27万人 4万人 15.7%
合計 2,137万人 506万人 23.7%

中国(台湾・香港を含む)はおよそ年間280万人の喫煙者が訪日 しており、総計では、インバウンド主要10ヶ国の合計2,173万人のうち、喫煙者数は506万人となっており、喫煙率はおよそ23.7%で、ざっくりと言えば、大体4~5人に1人は喫煙者である計算となります。

喫煙環境に関する訪日外国人の意識と実態

株式会社エイチ・アイ・エスが2017年7月20日~8月15日におこなった「喫煙環境に関する訪日外国人の意識・実態の調査」によると、訪日外国人喫煙者のうち約6割が日本の喫煙ルールに困惑経験があり、さらに喫煙者・非喫煙者の境なく約半数が現行の日本の喫煙環境は不親切だと感じており、8割が国内統一ルールがあるべきだと回答しています。

この調査の結果では訪日外国人喫煙者が喫煙ルールに困惑していることは間違いありません。オリンピックどころではなく、インバウンド対策として早急な明示が求められます。案内表示には多少なりとも費用がかかりますので、原則禁煙法が決まってからと考えるところもあるかと思われます。しかし原則禁煙法は今のところどのように落ち着くのか全く分かりません。

取り敢えずはこれで

原則禁煙法案の動向が気になるところですが、飲食店などのインバウンド対策として、取り敢えずは訪日外国人で一番多い中国人向けに、このような注意書きの張り付けをお勧めします。

外国人観光客にスグ使える中国語・英語注意書き(A4サイズ)が無料でダウンロードできます。
提供サイト:「中国語でインバウンド接客!」https://chugokugo-sekkyaku.com/kinnenn/

屋内全面禁煙などを定める受動喫煙対策強化改正法案(通称:原則禁煙法案)に関する、国会の動きはオリンピックに向けてという気風が強いのはなぜでしょう。IOCの「たばこの無いオリンピックを」という要望が無ければ、すなわち日本でのオリンピック開催が決まっていなければ、この法案は出てこなかったのでしょうか。

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