中国 中国事情

中国習近平政権は毛沢東時代晩期の再来か

2017年10月に中国共産党第19期中央委員会第1回総会が閉幕した以降、習近平国家主席の政権運営(内政)についての論評はあまり目立ちません。今の中国国民にとって、習政権はどのようなものなのでしょう、はたして期待している国民はいるのでしょうか。

終身独裁者を目指す習近平国家主席

2017年10月の中国共産党第19期中央委員会第1回総会で、新たな最高指導部メンバーである政治局常務委員が選出されましたが、習近平国家主席の後継者と思われる50代の人物はその中に1人もいませんでした。後継者不在ということは、習氏が2022年開催の次回党大会でも引退せずに総書記ポストを続投するだろうという観測が高まります。

江沢民や胡錦濤政権時代には、最高指導者は2期10年を務めた後には、次世代の後継者にバトンタッチするのが慣例となっていました。しかし、習氏が5年後にこの慣例を破って続投するならば、さらなる5年後の党大会でも引退しない可能性が濃厚になります。このままいけば、習氏は2期10年どころか、4期20年も権力の座にしがみつき、毛沢東に近い「終身独裁者」となっていく可能性が強いのです。

毛沢東にならう習近平国家主席

習氏が毛沢東にならって自らの名前を冠する思想を党の規約に盛り込んだのも「終身独裁者」のための布石なのでしょうか。「習近平思想」が党と国家の「長期的指導思想」となった以上は、習氏が毛沢東と同様に、死ぬまで共産党の最高指導者であり続けることも可能なのです。

その一方で、今回の党大会で誕生した新しい政治局には、習氏のかつての部下や同級生と幼なじみを大量に送り込んで党の指導部を自分の側近で固めてしまいました。そして今、「習家の兵隊」と呼ばれる側近幹部らが中心となって、共産党党内では習氏のことを「全知全能の偉大なる指導者」とする動きが広がっているのです。幼稚園の園児までがテレビの前に座らされて習氏の演説を聞かされたり、お年寄りが公園で習氏をたたえる歌を歌ったりしているとのことで、まさに1966年から1976年まで続いた文化革命時代ならではの風景が再現されているといいます。

40年前への先祖返り

中国共産党大会の前後には、毛沢東時代晩期を特徴づける「終身独裁」「個人崇拝」「側近政治」などの悪しき気風が一気に復活してしまい、中国共産党政権は40年前に先祖返りした格好です。その要因には「習氏の強い権力志向」と、2000年代に入ってから直面している「共産党政権存続の危機」が背景にあるのです。

鄧小平の改革開放路線以来、中国は大きな経済成長を収めた一方で、「貧富の格差拡大」「腐敗の蔓延」「環境破壊」など深刻な問題が起こり、国民の不平不満は高まる一方なのです。胡錦濤政権時代の末期に暴動・騒動事件が全国で年間18万件も起きていたことは、まさにそのような危機的状況の表れでした。

今の習政権が忘れている事

6年前に習政権が誕生してからは、党内の腐敗摘発を強力に進めて国民の不平不満を和らげようとする一方で、毛沢東時代に開発したあらゆる統制手段を持ち出して反体制運動に厳しい弾圧を加え、全国民の思想統制を強化してきました。「終身独裁」「個人崇拝」「側近政治」を特徴とする毛沢東政治が復活したのもやはり、危機に面したときの中国共産党政権の自己保存本能による先祖返りなのでしょう。

習氏たちからすれば、1人のカリスマ指導者の強い意志で国民全体を完全に支配した毛沢東の政治こそが危機の中で政権を維持していくための最善の統治モデルなのでしょうが、しかし彼らが忘れていることがあります。それは、中国共産党の統治を盤石にした毛沢東政治はその一方で、国家と国民に多大な災難をもたらし、「長い暗黒時代」を招いたことです。

鄧小平時代には、毛沢東政治の弊害に対する反省から、中国共産党は「指導者終身制」の廃止や集団的指導体制の導入などさまざまな政治改革を試みてきました。しかし、今の習政権の下ではそれらが全てひっくり返され、政治スタイルは一気に40年前に逆戻りしたのです。中国国民は再び、かつての暗黒時代を体験しなければならないのでしょうか。

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