中国 中国事情

中国政府がモバイル決済と消費者金融にメスを入れた

中国人にとってはあらゆる商品の購入はモバイル決済で行うのが常になっており、中国のモバイル決済市場は今や、5.5兆ドル(619兆円)規模にまで膨らんでいます。そんな中、モバイル決済にまつわる疑念や詐欺の多発に対して、ついに中国政府は規制に乗り出しました。

利用者の資金で金利収入

金融機関はいつでも預金者の払戻し要求に応じられるように、預金総額の一定割合の支払準備金を保有していなければなりません。支付宝(Alipay)や微信支付(WeChatPay)などモバイル決済プラットフォームを運営するアリババやテンセントも同様であり、中国人民銀行の規定では社内に留保すべき支払い準備金の比率は20%でした。

したがって、運営側は利用者がチャージしている金額の残り80%を自由に動かせるわけで、利用者の資金の80%を金融機関にプールして金利収入を得ているわけです。そこで中国人民銀行は昨年12月30日、モバイル決済プラットフォームに対して、社内に留保すべき支払い準備金の比率を現状の20%から50%に引き上げるとアナウンスし、この規制は4月から適用される見通しで、準備金の比率は時間をかけて100%まで上昇させるといいます。

モバイル決済の利用限度額も規制

人民銀行はさらにQRコードを用いたモバイル決済の利用限度額にも規制を設ける構えで、一日あたりの利用可能な限度額は、ユーザーのアカウント状況に応じて500元(約8,600円)、1,000元(約17,200円)、5,000元(約86,000円)に制限されるようになるとのこと。

その背景にはQRコード決済に絡む詐欺事件の多発があげられます。広州市の南部では、正規のQRコードを偽のコードにすり替えたり、マルウェアを仕込む手法で1,450万元(約2億5,000万円)が盗まれる事件が発生しており、また、広東省の仏山市でも、偽のQRコードで90万元(約1,500万円)を盗み取った男が逮捕されています。

消費者金融への規制

中国の規制当局は興盛する消費者金融への規制も強化します。日本では消費者金融の金利は、ずっと昔から高い高いと言われ続けており、2010年の6月以降から格段に低くなりましたが、それでも高い金利であることは間違いありません。

現在の日本における金利の上限は、契約が10万円未満の場合20%、10万円以上100万円未満の場合18%、100万円以上の場合15%となっておりますが、中国の消費者金融業者は法外に高い金利を課している場合もあり、今後は支付宝(Alipay)を用いた貸出の金利制限が最大で24%になります。

また、中国では住宅ローンの頭金を消費者金融でまかなうケースが急増しており、2017年3月から9月までの半年で消費者金融を通じて約3,000億元(5兆円)の資金が不動産市場に流れ込んでおり、中国金融当局は消費者金融に対して、厳しい引き締め措置を打ち出しています。

個人情報収集ポリシーの注視

さらに当局は、今後の数年で個人情報収集ポリシーに関しても注視する構えです。アリババは2017年の支付宝(Alipay)での消費者の買い物動向をまとめた詳細なレポートを発表しましたが、一部の利用者らから反発の声があがり、アリババは公式に謝罪声明を出しました。

また、テンセントのWeChatに関しても同様な疑念の声が高まっており、先日は自動車メーカー「吉利汽車」の会長が「テンセントはWeChatの会話を全て監視しているに違いない」とメディアで発言し、これに対してテンセントは「当社はユーザーのチャット履歴は保存していない」と反論しています。

最後に個人情報収集ポリシーの話題に触れましたが、中国の個人情報保護の法体系には「消費者権益保護法」「電気通信及びインターネット利用者の個人情報保護に関する規定(MIIT規定)」「就業及び就業管理規定第13条」などが挙げられ、また法的強制力がないものの「個人情報保護ガイドライン」も公布されています。しかし現在の中国では、顔認証技術の進歩により色々なシーンに顔認証システムが応用されており、顔認証も含めたプライバシー保護基準の整備が課題になりそうです。

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