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中国ネット環境の南北問題って何?

中国のインターネット事情において「南北問題」をよく耳にしますが、この「南北問題」とは何でしょう、先進国と発展途上国の間の経済格差の「南北問題」を連想しそうですが全く異なります。そこで、この中国の「南北問題」を解説します。

中国インターネットの南北問題

中国では国内から国内サイトをアクセスしているにも関わらず、グレートファイアーウォールの検閲とは関係なく、アクセス速度が非常に遅かったり、接続が切れてしまったりする現象が起きます。

これは中国の大手キャリアの中国電信(China Telecom)と中国聯通(China Unicom)が、2002年に中国国務院の通信事業再編政策によって、それぞれが中国の南部地域と北部地域を受け持つこととなったのですが、このキャリア間の接続状況が良くないことが起因して、前述のような現象が起きています。

中国電信と中国聯通

<中国電信(China Telecom)>
1994年に郵電部傘下にあった電気通信事業の運営部門である電信総局を分離、国営企業とし、1995年に「中国郵電電信総局(中国電信、チャイナ・テレコム)」となりました。そして、2000年には固定通信事業と移動体通信事業の2社に分割が決まり、それぞれ固定通信事業は「中国電信」、移動体通信は「中国移動(チャイナ・モバイル)」となり、その後さらに、衛星通信事業が分離して「中国衛星通信(チャイナ・サットコム)」となりました。

さらに、2002年の通信事業再編政策により、旧中国電信が南北2分割された際に、旧中国電信の北部10省市自治区の資産と事業は1999年に設立された「中国網通(チャイナ・ネットコム)」に吸収され、残りの21省市自治区の資産と事業を継承して新「中国電信」となり現在に至っています。ただし、中国電信と中国網通は長距離通信とインターネット接続の分野ではお互いのテリトリーに隔たりが無くこの分野では全国的なサービスを展開しています。

<中国聯通(China Unicom)>
1994年中国政府によって「中国聯合通信有限公司(中国聯通、チャイナ・ユニコム)が設立され、現地では一般的に「聯通(れんとん)」と呼ばれています。2002年からCDMAの携帯電話サービスを開始し(現在は、中国電信が譲受し撤退)、中国移動通信、ボーダフォンにつぐ世界3位の携帯電話キャリアになりました。

2008年には、第3世代携帯電話(3G)の開始を目前にして、中国電信・中国聯通・中国移動の3つの通信メガグループに集約する再々編成で「中国聯通のGMS回線と業務」および「中国網通の業務」を引き次いだ新「中国聯通」が発表されました。(中国聯通のCDMA回線と業務は中国電信に併合)

以上のような経緯を経て現在の中国電信と中国聯通がありますが、接続環境がADSLの場合、512Kbps~8Mbpsの範囲で接続事業者より提供されるものの、中国内で両キャリアのネットワークを結ぶ回線の速度が遅く、常時ボトルネック状態による「不安定な通信速度」となってしまいます。現在は改善されつつあるものの完全な解決には至っておりません。これがいわゆる中国ネット回線の「南北問題」なのです。

中国電信と中国聯通のエリア

  中国電信 (南部地域 21省・自治区)
上海市 (Shang hai shi)
重慶市 (Chong ging shi)
江蘇省 (Jiang su sheng)
浙江省 (Zhe jiang sheng)
安徽省 (An hui sheng)
江西省 (Jiang xi sheng)
福建省 (Fu jian sheng)
広東省 (Guang dong sheng)
湖北省 (Hu bei sheng)
中国聯通 (北部地域 10省・自治区) 湖南省 (Hu nan sheng)
北京市 (Bei jing shi) 陝西省 (Shan xi sheng)
天津市 (Tian jin shi) 貴州省 (Gui zhou sheng)
黒竜江省 (Hei long jiang sheng) 甘粛省 (Gan su sheng)
吉林省 (Ji lin sheng) 四川省 (Si chuan sheng)
遼寧省 (Liao ning sheng) 雲南省 (Yun nan sheng)
河北省 (He bei sheng) 青海省 (Qing hai sheng)
山西省 (Shan xi sheng) 寧夏回族自治区(Ning xia hui zu zi zhi qu)
山東省 (Shan dong sheng) 広西チワン族自治区・広西壮族自治区
河南省 (Hen nan sheng) 新疆ウィグル自治区・新疆維吾爾自治区
内蒙古自治区 (Nei meng gu zi zhi qu) チベット自治区・西蔵自治区

 

南北問題の回避策

南北問題を回避するには、両キャリアの回線を引き込んでいるマルチキャリア対応IDC(Internet data center)にハウジング(独自のサーバーを設置)またはホスティング(サーバーの間借り)をすれば、両方からの訪問スピードはバランスよく実現できます。

また、CDN(Contents Delivery Network)の利用なども対策のひとつです。CDNとはコンテンツデータを各地に配置したミラーサーバー上に保存し、ユーザーは最寄りのミラーサーバーにアクセスする事でアクセシビリティを向上するサービスです。

中国の企業では、中国電信と中国聯通それぞれのキャリアにミラーサーバーを置いて、ユーザーがサイトのエントランスで選べるようしているところが多いようです。また、予算が許せば北京・上海・広州などの重要拠点にダウンロード専用のサーバーも開設すれば完璧といえるのではないでしょうか。

このように、インバウンドや越境ECにおいて要となるインターネットにおいては様々な問題が潜んでおり、それを軽減するためにも的確なアドバイス・支援をしてくれるサポート企業は欠かせない存在です。

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