中国は2016年、福島、宮城など東北、関東の10 都県から中国に輸入されるすべての食品・飼料などについて、輸入停止措置を講じた。他の都道府県の食品・飼料に対しても日本の政府機関が発行する証明書の提出が必要となる。
この動きは、2011年3月11日に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故の影響を危惧したものである。10都県以外の食品・飼料の中国輸入の際には、「放射性物質検査証明」や「産地証明」が必要となる。
東日本大震災後の2013年3月に「中国の輸入規制措置」が更新されたが、2017年12月の時点でも輸入停止は解除されておらず、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、長野(10都県)からの全ての食品と飼料は輸入停止となっている。
(出典:http://www.maff.go.jp/j/export/e_shoumei/china_shoumei.html
http://www.maff.go.jp/j/export/e_info/pdf/kisei_all_171211.pdf)
すべての食品の中国輸入が停止されているのは、福島、宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、長野の10 都県で、10都県以外の日本の食品・飼料についても特定の品目に対しては制限がかかっている。
野菜及びその製品、乳及び乳製品、茶葉及びその製品、果実及びその製品、薬用植物産品を中国へ輸入する際には、中国の放射性物質基準に適合する「放射性物質検査証明」と10都県以外で生産されたことを証明する「産地証明」が必要となる。
「放射性物質検査証明」の検査項目が日本政府と中国政府との間で合意に至っていないため、この証明書は発行することができない。このため中国では日本の野菜及びその製品、乳及び乳製品、茶葉及びその製品、果実及びその製品、薬用植物産品は事実上流通していないことになる。しかし中国ではしばしば流通が確認されており、どのようなルートで中国輸入されたのかは不明なままだ。
(出典:http://www.maff.go.jp/j/export/e_shoumei/china_shoumei.html)
10都県以外の水産物については「放射性物質検査証明」と「産地証明」に加え、産地・輸送経路を記した「検疫許可申請書」が必要だ。水産物は「放射性物質検査証明」の様式が日本政府と中国政府との間で合意されているため、検査証明書の発行が可能だ。日本から中国へはホタテ貝などの海産物が輸出されている。
野菜、乳、茶葉、果実、薬用植物産品、水産物以外の食品・飼料の中国輸入についても「産地証明」が必要だ。この産地証明は農林水産省が発行するが、水産物については水産庁、酒類については国税庁が発行の手続きを行うことになっている。