越境EC

中国越境EC参入方法を徹底解説

ご存知のように、越境ECはECサイトによる国境を越えた電子商取引で、
サイトを通じて商品の購入、販売ができます。
現在日本からの越境EC市場は、主にアメリカと中国向けの2つがありますが
経済産業省の調べによると、2014年には中国向けの越境ECがアメリカの
8720億円を,追い抜くほどの成長をしていると発表しています。

なぜ、中国向けECが注目されているのか?

まず、総人口が日本と比較しても約10倍以上で、一人当たりの国内総生産(GDP)をみても日本の約1.5倍となっています。
又、インターネットユーザーも2015年末時点では,6億8000万人以上となりまだまだEC市場での成長が見込まれる環境となっています。
これまでの中国でのECと言えば、淘宝等のCtoCと呼ばれる個人間取引が主流でしたがCtoC取引による、中国得意技のニセモノや粗悪品、並行輸入品が出回り現地で販売される国内製品への不信感、不満、不安が高まりました。
特に化粧品や、薬品など身体に影響を与える可能性のある商品は吟味するようになり、品質が良く信頼のおける日本製品を買い求める傾向が多くなりました。日本で爆買いしても、持ち帰る数量には限度があるし、再び必要になります。
そこでCtoCよりも企業から商品を買う、BtoC取引の市場が拡大されました。

中国越境ECに進出するには!

① 中国のECモールに出店する。

中国では、日本にある楽天・YahooショッピングのようなECモールがいくつもありますが、その中でも、天猫(T-mall)と京東(CD.com)が中国の2大ECモールです。
以前は,天猫も京東にも出店できるのは、中国に現地法人がある中国の企業だけでした。しかし海外企業への誘致戦略がなされ、それぞれのモールのサイト内に外資企業でも出店できる「天猫国際」と「京東全球構」が設けられ、中国に現地法人を持たなくても出店ができ、これらのECモールで自社の商品を販売する事が可能となりました。
2014年市場シェアのデータでは天猫(57.3%)京東(21.2%)の2社で
中国BtoC向けECサイトでのモール流通総額の約80%を占めています。
☑中国ECモール出店のメリット
中国でサイト設立時に必要なICPライセンスを取得する必要が無い。
初期費用と保証金が数百万程度で短期間での運営が可能。
認知度の高いモールブランドで信頼性・集客性が高い。
デメリット
売り上げに対し一定の決済手数料が取られる為利益F率が悪くなる。
モールのルールが突然変更される事が多く、予想外の不利益がでる。

② 自社ECサイトを構築する。

モール出店ではサイト側の管理の為、顧客データの管理が難しいが
自社サイトであれば顧客データの構築が可能でマーケティング対応が可能。
且つ、売り上げに対する決済手数料が不要なので利益率が高くなります。
多額の初期投資と期間を要します。しかも認知拡大の為の、膨大な宣伝広告費も必要とされます。

自社ECサイトで成功しているモールは、無印良品で知られる「良品計画」が独自の在庫管理と取り寄せのシステムで、スピーディな配送で商品を届ける事を可能にし成果をあげています。中国EC消費者の不満第2位にある、配送時間が長いことを逆手に取った配送システムの勝利です。

それぞれの、メリット・デメリットがありますので、中国では企業独自のサイトより、品揃いが豊富で安心なモールで買う文化が根付いているようです。
その傾向から、中国越境ECを始める場合は「中国ECのモールに出店」することを選択してもいいですし、やはり利益率を求め自社ECサイトを構築するもまた選択の一つです。

さて、中国ECサイトへの出店が計画されたとするならば、
中国越境ECで必要な事は、何があるでしょうか!

(1)商材の準備
(2)中国に販売可能か、中国で輸入できる商品かを確認
(3)販売国(中国/台湾/香港)・言語(簡体字/繁体字/英語)を決定
(4)販売価格を中国の事情を考えて決定
(5)ネットショップの構築方法を決定
(6)中国向けの決済方法を決定
(7)中国向けの物流・配送方法を決定
等の・・様々な要素を確認しなければなりません。

(1)商材の準備

大きな市場を抱える中国越境EC!非常に魅力的です。
でもいくら魅力的な市場とはいえ、何でもかんでも売れるとは限りません。
「どんなものが売れるのか?」「誰がどんなものを好むのか?」・・等
商材の準備の為のマーケティングが必要と思われます。

    又、中国インバウンドマーケティングで蓄積された消費データも調査する事は非常に有効と思われます。

    商材ヒントとして・・中国人が喜ぶ日本のお土産

    まず、知名度があり中国人なら誰でも買う日本製品をあげると、
    家電では炊飯器・デジタルカメラ・魔法瓶・電気カミソリ・イヤフォン等・・・
    メイドインチャイナ家電は、壊れやすいから。

    化粧品では資生堂・SKⅡ・雪肌精・DHC等・・・
    アナスイは中国人のデザイナーブランドで大人気。
    メイドインチャイナ化粧品は、品質悪く信用できない。

    食べ物系ではお菓子・カップ麺・インスタントコーヒー等・・・
    日本のお菓子は美味しいから!一番人気のポッキーや・コアラのマーチ・キットカットが若い女子には受けています。中国人は賞や金色マークに弱いのでモンドセレクション受賞のお菓子は大絶賛!
    日本のカップ麺も大好評、中国製はいきなり科学調味料の味がするみたいです。

    意外な日本製ヒット品

    ランドセル~日本製は頑丈で壊れにくく、ファッション性も高いから。
    爪切り~切れ味抜群で、且つ中国製みたいにすぐ壊れないから。
    ユニクロ~日本で買うと関税がかからず割安感があるから。
    鼻毛カッター~中国は大気汚染で鼻毛伸びのスピードが早いから。
    馬油~日本製の馬油は中国人の肌に合うし、美肌効果にも優れている事から
    中国版ツィッターの微博で爆発的に広まりました。
    一番人気は薬師堂のソンバーユですが、品薄となり値上がりしている様です。

    等々・・中国人が既に爆買いし続けている同じ製品を、これから販売するには後追いセールスになる為お勧めはできませんが、中国人の嗜好や消費者行動を
    もっと調査した上で、他社との差別化した商材を準備する必要があります。

    商材準備のキーワードは!

    最近では、「より日本的な物」を好む中国人観光客も増え、百貨店での高額福袋がバカ売れしているみたいです。
    商材の準備は「made in japanのオリジナリティー」と「ジャパンクオリティ」がキーワードと思われます!

    (2)中国に販売可能か、中国で輸入できる商品かを確認

    どんな国でも輸入して良いものできない物、輸入できても国内法で販売できない物があります。貿易には様々な法規制があります。
    税関による、輸入禁止・規制品目は
    http://www.customs.go.jp/mizugiwa/kinshi.htm を参照。

    中国で輸入禁止の物は

    液体状の商品・医薬品、健康関係の商品(薬事法の適用)・銃器類・爆発物・危険物・コピー品(キャラクター商品や偽りブランド品)・ブランド品(メーカー輸出入許可証が必要)

    輸入は可能だが販売できない物

    無線機器(Bluetooth搭載商品)・コンセント使用品(中国は220Vの為PSEマークの表示が必要)・食品(乾燥物以外は事前許可を要す)ヘルメット、石油ストーブ、ライター等(PSCマークの表示が必要)

    輸入しない方が良いもの

    CD,DVDなどのメディア関連物は,ダビングされ完全にコピーしたCD-RやDVD-Rが販売されています。

    更に、普通に輸入出来て販売できない物もある様です。
    体温計~薬事法の医療機器にあたるため適用になります。
    食器類~食品衛生法の適用で検疫所での細菌チェツク検査と許可が必要。
    幼児のおもちゃ~これも食品衛生法の適用でどんな塗料が使われているかを 検査。幼児は何でも口に入れる傾向がある為。

    等々・・せっかく仕入れても販売できない商品がある為、専門の輸入代行業者 に相談するのも必要かと思われます。

    越境ECの大きな特徴

    しかし、越境ECを活用すれば中国に輸出できない商品や許認可を得なければ販売することが出来ない化粧品や健康食品などを合法的に販売することが出来ます。これが越境ECの大きな特徴と言えます!、
    また、上海の自由貿易保護区制度を利用することも大きなチャンスとなります。

    例として、ウコンなどを扱う健康食品メーカーは、合法的な輸出を断念していましたが今では簡単に販売できるようになりました。

    中国越境EC成功事例

    関西を中心に展開するドラックストアチェーンのキリン堂は、2014年に
    「天猫国際」に出店。他社の成功事例も全く無い状況で、日本企業では初進出しましたが結果として大成功!
    2015年の11月11日「独身の日」には4億5000万円の売上げで、出店している日本企業では第1位の売上げを達成しています。
    いち早く、越境ECに目を付け中国市場に進出したからこその結果と言えます。

    (3)販売国(中国/台湾/香港)・言語(簡体字/繁体字/英語)を決定

    「誰」に対して売るか、ターゲットを決める。
    日本から中華圏(中国・台湾・香港)に販売するといっても、対象者が法人向けか個人向けか、男性向け、女性向け、子供向けかなどターゲートをしっかり決めないと商材の準備にも影響しますね。
    また、一般消費者にも低所得者からスーパーリッチな富裕層も存在します。
    越境ECの成功ポイントはターゲットゾーンに潜んでいると思われます。

    子供むけとして、花王の紙パンツが大人気!

    赤ちゃんの紙オムツには、メリーズ、パンパース、ムーニー等、たくさんの種類が売られていますが、花王のメリーズが中国で爆発的に売れオムツ市場を席巻しています!
    以前は、米国P&Gの安いオムツが普及していましたが、高くても品質の良い日本製メリーズが好評を得ています。メリーズは中国でも製造販売されていますが日本製の方が素材や使用感、快適感が違うようです。正にカミ一重の差!
    紙オムツ一つにしても、日本製品の「品質」と「ブランド力」に安心感があると言えるでしょう。

    メリーズは2015年の11月11日「独身の日」に、同サイトで一晩で約2億円を売り切り日本製のオムツの人気ぶりが検証できます。

    ターゲットとしての富裕層!

    近年中国では、年収200万元以上(日本円で3000万円以上)の富裕層が毎年17%の勢いで増えており、2015年には400万人以上に達しています。
    中国の富裕層は40~50代が多く、若手起業家は自分の事業をグローバル化させて国内外の株式市場に積極的に上場し、バイタリティーに溢れています。
    シニア層は都市開発に伴う土地の売却益から得た現金で株に投資したり、価格差に目を付け、海外でさまざまな商品の「爆買い」を行い、仕入れた大量の商品を、国内の個人や店に販売し大きな利益を得ているようです。

    爆買いしない富裕層!

    これら富裕層の人々は、日本製品に対する旺盛な購買力があり、あえて高い商品でもどんどん買う勢いがあります。
    最近では爆買い熱も冷め、訪日目的が療養メディカルツーリズムや不動産投資のビジネス客が増加しており、日本での購買にも変化がみられるようです。
    そして、不動産投資以外に中国の富裕層は海外への脱出先を模索している様です。それは中国特有のPM2.5による都市部の深刻な大気汚染と、平気でゴミを捨てる国民性から街はゴミにあふれ、環境汚染がもはやこれまでと言った状況になりつつあります。日本は位置的にも環境面でも魅力的な移住先として
    お金持ちの中国富裕層から目をつけられているかもしれませんね!

    富裕層向け通販メディア。

    中国では、富裕層向けに特化した「Coloree Go」という通販メデイアがあります。提携している中国10銀行から中国人富裕層に対して通販カタログ雑誌・電子ブック・webサイトの3形態が連動して直送、配信されるメディアです。
    10銀行の約2000万人以上のVIPクレジットカード保有者を対象としている為、中国富裕層へダイレクトに商品PRと販売が可能となります。
    日本関連のプレミアム商品を高級感あふれる写真で紹介され、日本旅行・グルメ・不動産投資等、多彩な商品とサービスがラインアップされています。

    中国マーケティング成功の鍵は「富裕層」

    中国富裕層は続々と増えています!お金持ちは何でも買います!ターゲットを絞り込んだチャイナスーパーリッチへのアプローチはいかがでしょうか!

    越境EC先の国を決める。

    アジア圏越境EC先の国といえば、中国・台湾・香港があり、それぞれの総人口、ECモールの規模とユーザー数、総取引額、ネット普及率、モバイル端末の利用率等で比較をすれば、圧倒的に中国市場が優位を占めています。

    台湾EC市場は?

    日本の統治時代の影響から、台湾は世界でも有数の親日国で知られています。
    2014年のEC市場は総額で3兆5千億以上に達しており、年15%以上の成長を遂げている様です。
    台湾の国民性からみると共働きが主流で、買い物に行く手間が省けるECが多く利用されているが、共働きの為ECで買った商品を自宅で受け取る事が出来ない状況です。そこで普及したのがコンビニ受け取りと、コンビニ決済です。
    台湾ではコンビニが約1万店以上も存在しているのでコンビニ受け取りが一般的となっているようです。しかし受け取りに来ない人も多いとの事です。

    香港EC市場は?

    香港は、他国に比べ人口が少ない割には消費動向が高い国として評価されています。日本への観光リピーターも多く日本についても良く知っています。
    インターネットのインフラも高い水準で整備されている為、越境ECにはうってつけの市場環境が出来上がっていると言えます。
    2015年にはスーパーの「イオン」が香港向けの越境EC「新鮮直送」をオープンし、日本の厳選食材や特産物、海産物等を幅広く取り扱っています。
    又、台湾の大手ECである「Yahoo奇摩」も香港越境EC事業に参入しました。
    香港の消費動向と言語も繁体字で共通の為、香港を強力な市場と見ています。

    いずれにしろ、台湾も香港も訪日観光客の市場規模と消費動向を見れば、
    中国に次ぐ魅力的な越境EC市場と言えるでしょう!

    言語を決める

    単に、越境ECという視点で見れば英語サイトを用意すればいいでしょう。
    英語は世界の共通語であり、全世界を商圏範囲に出来ます。
    一口に英語と言ってもアメリカ英語とイギリス英語の2種類があり、越境ECで考えるならばアメリカのユーザーの割合が多くなるのが予想されるので
    アメリカ英語で翻訳することが、ベターと思われます。

    中国を含むアジア圏でのECサイトを検討するには誰に対して売るかターゲットと、生活習慣も考慮しながら、その国の言語も決めなければなりません。

    中国語にも種類があります

    中国語は大きく分けて「繁体字」と「簡体字」という2種類の漢字があります。
    元々は繁体字が使われていましたが、これが難解な為よりシンプルで覚えやすくした新しい漢字が簡体字です。
    中国本土やシンガポールで使われているのが簡体字で台湾、香港、マカオで使われているのは繁体字です。
    さらに、同じ中国でも地域によって北京語や広東語などの方言の違いもあるので、どの地域をターゲットにするかで言語を切り替える必要があります。

    多言語サイト管理の導入

    国別による言語の違い、地域によって方言の違いがありますが、その為にwebサイトを複数の言語で展開すると、サイトごとの管理者や在庫管理、決済機能の違いが発生し業務が煩雑になります。現在では複数の多言語に対応したサイトを一括管理できるCMS(コンテンツ管理システム)を導入することで運営管理の負担を大幅に軽減できるシステムも普及しています。
    例えば、サイト上の右上部にあるプルダウンで、言語を選択するとユーザーは
    直観的に言語選択を行う事が出来る仕組みです。
    自動翻訳ではなく、各ページのきっちりした多言語対応も必要ですね!

    (4)販売価格を中国の事情を考えて決定

    国や地域によって通貨も違います。日本は円、米国はドル、欧州はユーロ、
    そして中国は人民元です。
    人民元は中国当局の介入によって、変動幅を非常に狭い範囲にとどめているのが特徴です。
    越境ECは、国境を越えて異なる通貨で金銭の受払いがおこなわれる外国為替取引が前提になるので、販売価格を中国の通貨に合わせていくのか、日本円のままで販売していくのか決めなければなりません!
    そして、外国為替市場の為替レートは日々変動します。為替が変動すると為替損益が発生します。
    同じ商品でも、円高と円安時の販売価格では差額が発生する為、為替のリスクも考えてしっかり利益の取れる価格を決めておかなければなりません。

    日本円のままで販売する場合

    越境ECで販売する価格は日本円のままで、表示することが出来ます。
    日本円表示の価格を、中国元に計算しながら買い物をしていく感覚です。
    日本円での販売は為替の影響を受けないメリットがあり、ドル表記をすると
    もし円高になると利益が目減りしてしまうリスクがあります。
    日本円表記であれば、為替の変動を意識しなくても一定の利益を確保できますが買い手のユーザーは自国の通貨に変換しながら、買い物するという手間が発生します。

    やはり、中国向け通販サイトなら人民元表記にすることが大半となっています。

    (5)ネットショップの構築方法を決定

    越境ECを設置するには、ECサイトを最初に構築する必要があります。
    構築方法には、①サーバーを中国に置く、②サーバーを日本に置く、
    ③ モールへ出店してネットショップを構築する等があります

    ① サーバーを中国に置く場合

    中国で営利目的のサイトを構築するには、政府機関である中国工進部から必ず「ICPライセンス」を取得しなければなりません。
    取得したICP番号は必ずサイトの全ページに表記する義務があり、中国のサイバーポリスに見つかると、即!削除され罰金もとられます。
    「ICPライセンス」を取得するには、基本条件として中国現地法人の設立必要で、申請も煩雑です。

    ② サーバーを日本に置く場合

    中国に法人を持ってない日本の企業では日本にサーバーを置いて越境ECサイトを展開することとなります。メリットとしては特別な手間なくサーバーの設置等はできますが、中国から日本のサーバーへ接続した場合中国政府による検閲が入り表示されないことや速度が遅くなることがあります。

    ③ モールへ出店してネットショップを構築する

    中国には、天猫(T-mall)と京東(CD.com)の2大ECモールがあります。
    以前は,天猫も京東にも出店できるのは、中国に現地法人がある中国の企業だけでした。しかし、現在ではそれぞれのモールのサイト内に外資企業でも出店できる「天猫国際」と「京東全球構」が設けられ、これらのECモールで自社の商品を販売する事が可能となりました。
    中国人は、何か欲しい商品が有る時は、まずこの2大モールを見て商品を検索する消費行動が一般的と見られています。
    両モールには日本館が有り(桜・お城・招き猫のイメージ)、資生堂、花王、カルビー等、大手の日系企業約30社が出店し、自社商品を販売しています。

    (6)中国向けの決済方法を決定

    日本のネット販売では、銀行振り込み・代金引換・クレジットカードによる決済が一般的ですが、中国ではクレジットカードは普及していません。
    クレジットカードの不正行為によるハッキング被害が多い背景がある為です。

    中国人向けの決済システムは?

    中国で最も利用されているECでの決済方式は、アリペイ(支付宝)による決済です。
    アリペイはアリババグループが2004年に設立した中国最大規模のオンライン決済サービスで、中国越境ECを運営するには必須の決済方式です。
    もともと中国では、現物の商品と代金を同時に交換する商習慣が有りました。
    疑い深い国民性から、その習慣は今でも抜けきっていません!
    特にネット通販は対面での販売でない為、信用されませんでした。
    しかし、アリペイは消費者保護の立場に立ち、第三者保証決済サービスによる安心で確実で買い物ができるように工夫されたサービスを導入しました。

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    第三者保証決済方式とは?

    このサービスは、ネット購入時の販売者と消費者の間に入り、代金受取りと支払いの仲介役となります。
    商品購入から支払いの流れとしては、①ネットで消費者が商品を購入⇒②消費者はアリペイに支払う⇒③アリペイが販売者に連絡⇒④販売者が商品を発送⇒⑤消費者が商品到着をアリペイに連絡⇒⑥アリペイが販売者に支払う、という相互のトラブルも防止され、安心で確実な買い物ができる様になりました。
    操作方法も簡単で、しかも手数料が無料です!
    中国では、アリペイ(支付宝)の登場により、販売者と消費者間の安心できる 取引が作り上げられたことで、ネット通販が爆発的に広まりました。

    中国ではモバイル決済が主流!

    アリペイ(支付宝)はプリペイド式で、お金をチャージしておけばあらゆるサービスに利用できます。お財布代わりになります。
    ネット代金の他に、電気・ガス・タクシー料金・航空チケット等、日常生活で必要な代金をすべてアリペイ(支付宝)で支払う事が出来るのです。
    中国では、実店舗でもスマートフォンによる電子決済が主流となり金銭の持ち運びと、授受が不要になることから急激に普及が進んでいます。
    日本国内でも、大手百貨店がアリペイ決済を導入し対応がなされています。

    WeChat Payは6億人のユーザー

    アリペイ(支付宝)の他にも微信支付(WeChatpay )・貝宝 PayPal
    の決済サービスがあり、WeChat payはスマートフォンで決済ができるモバイル決済サービスで、現在では約6億人以上のユーザーで使われています。
    特にWeChatは、中国で最も普及しているスマートフォン用SNSチャットアプリで、WeChat内に付属したアプリに自分の口座を登録し利用できます。
    買い物の時、お客様のQRコードとバーコードを読み取るだけでの簡単決済が可能なので、スマホによる電子マネーとも言えるでしょう。

    (7)中国向けの物流・配送方法を決定

    現在、中国向けの物流輸送は大別すると海上輸送と航空輸送があり、いずれも通関手続きによるインボイスの書類が必要とされます。

    海外消費者に商品を配送する場合は、

    ①販売元から中国消費者に直接配送 ②注文ごとに国内の提携業者に商品を送付し、提携業者が現地の消費者に配送 ③中国現地に物流拠点を持ち、現地消費者に配送する3つのパターンが一般的です。
    それぞれ、初期投資や納期、維持コストでのメリット、デメリットがあり
    検討する必要があります。
    そもそも、以前は中国での個人輸入のルールが明確ではありませんでした。
    その為、商品や輸入のタイミングによって輸入ライセンスを求められ日本へ返送されたり、よくわからない関税が課税されたり、関税発生時には荷受け人が窓口まで支払いに出向くなど、個人輸入者に様々な負担がかかっていました。

    物流サービスの普及

    現在では、国内の物流会社でも中国の消費者に対して、直販・通販を希望する
    事業者向けサービスを実施している会社もあり、発送⇒通関⇒到着までを一貫管理しています。
    たとえば、ヤマトチャイナダイレクトは日本から中国の消費者へ直接商品を販売したい事業者向けの輸送サービスです。
    日通ではアリババグループと提携しT-MALL国際(天猫国際)出店者への日本からの物流業務委託を本格化しています。

    EMS(国際スピード郵便)とは?

    日本郵政が提供しているEMSは、世界120カ国以上の国や地域に30kgまでの荷物が発送可能な国際郵便で、最速のサービスをしています。
    EMSが広く利用されている理由は、特定のモールや事業者との契約をしないで利用できることから、物流量が少なければ安いコストで商品を海外に発送できます。損害補償サービスも付いているので越境EC事業者に広く利用されており、日本の海産物・果物・食品加工品等がクールEMSで発送されています。
    海外配送に慣れていなければ、実績豊富な日本郵便に依頼するのも良いと思われます。

    まとめとして

    今、中国のビジネスで最も注目されている越境EC市場!
    個人輸入制度の整備や、政府による越境EC試験区の設置により
    その需要は今後も、ますます拡大されると期待されています。
    COOL JAPANはもとより、メイドインジャパンの商品は
    海外でこそ強く求められると感じます!

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